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2013.08.28 Wednesday
科学好き
ぼくは小学校の頃、科学が好きだった。
それは、世の中に「科学に対する憧れ」があったからだと思う。 みんながみんな、そういう憧れを持っていたわけではないが、多くの人は科学は人類を進歩させ、世の中を豊かにするもの、と思っていた。 亡くなった親父は、機械オンチの経理屋だったが、戦争ドラマのコンバットを見ながら、日本は科学を軽視して戦争に負けた、と言っていた。 暗号の解読しかり、レーダーの開発しかり…。 神風特攻隊の攻撃を避けるために、オペレーションズリサーチという数学を使った事も聞いた。 ぼくは、鉄腕アトムの描く未来の世界に憧れ、サイボーグ009で超能力の存在を知り、スーパージェッターでタイムパトロールを知った。 ロボット、エネルギー、原子力、テレポーテーション、サイコキネシス、テレパシーというような言葉も、マンガで覚えた。 全部アニメかマンガだった。 イギリスBBCが制作したサンダーバードや、アメリカの原潜シービュー号、宇宙家族ロビンソンなどの輸入ドラマも見たし、ヴェルヌの海底二万哩の小説も読んだ。 1960年代は、世界がまだまだ科学の力を信じていたと思う。 その後、日本では公害問題が起こり、交通戦争というような言葉もできた。 その頃から、「科学に対する憧れ」がなくなっていったように思う。 ぼくは相変わらずSF小説を読んだり、アニメを見たりしていた。 オーディオや自動車といった機械ものが好きだった。 高校になったら休みの日には三宮に行って、カタログを集めたりした。 いろんなカタログを眺めて、どれがいいか、などとスペックを見て想像していた。 そんな若者がたくさんいたと思う。 今は無国籍で時代もどうなっているかわからないアニメがあったり、メカが出てきてもどこがどうなっているかわからない。 作り手側もそんな説明はスルーする。 教師は理科が苦手で、必然的に生徒は理科が嫌いになる。 これで科学が好きになるはずがない。 これでいいのか。 |
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