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2013.06.19 Wednesday
イギリス紳士のユーモア
小林章夫著 講談社現代新書
いったい、イギリス紳士とは何者か、イギリス紳士のユーモアとは何なのかを知りたくて、中古で買った。 1990年の本。著者は大学教授で、イギリスに行ったときの体験を元に書いている。 ちょうどぼくも80年代にフランスとイギリスに行き、その違いに驚いた。 フランスでは「規則を守らない」という規則がある。 列に並ぶということをせず、時間が来たらみんなが突然並んでいる人を無視して殺到する。 それが公然と行われる。 事前に並ぶことは意味が無い。 横断歩道で信号待ちをしていても、クルマが来なければどんどん横断する。 さすが、自由の国だ。 ところが、イギリスに行くととたんに変わる。 信号はちゃんと守るし、この先工事中車線規制とかいう看板が出ると、工事のずっと手前で、片方の車線が空いていてもみんなきちんと1車線になる。 まだドアの手前の遠いところにいても、ドアを押さえて待っていてくれる。 とても礼儀正しく、規則を守る。 クルマの中でパンを食べても、それは品がないと注意される。 このイギリスの礼儀正しさは一体どこから来たのか。 当時一緒に食事をしたディビスという男は、嫁さんの事を話して、それがやたら面白かった。 嫁さんの事をぼろくそに言って、自分を哀れむ。 それが何とも言えず面白く、涙を流して笑ってしまった。 ああいう面白さはどこから来るのか。 イギリス人のユーモアとは何なのか、ということを知りたかった。 そういうわけで本を読んだが、わからない。 イギリス人にはユーモアがある。 これは確かだ。 何か相談したいことがあって、上司の部屋に行っても、いきなりその相談を切り出してはいけない。 まず最初に当たり障りのない話をする。 そこで笑いの一つも出たところで、相談を切り出す。 それが普通のやり方だとイギリス人は言う。 イギリスの紳士というのは、そういうものらしい。 もう一冊、イギリス人のユーモアという本を読むつもり。 |
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