考えたこと2

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そしてコミュニケーション力しかなくなった
ぼくらが会社に入ったころ、無愛想な人がけっこういた。

色々な人がいたのだが、スペシャリストに無愛想な人が多かったのかもしれない。

図面を描く人や実験データーを整理する人、機械の強度計算が得意な人、翻訳や特許の専門家…。
そういえば、昔は人事に電話して福利厚生のことを聞いたら、愛想が悪かった事を覚えている。
後日、それは派遣の専門家になったが…。

その人たちは得意分野があるから、無愛想でもやっていけたのか、それとも元もと無愛想だったのかはわからない。

考えたら昔はそういう人が多かった。

人事で給与計算する人は、そろばんや電卓が早く打てる人だったし、経理では貸し方や借り方がわかり、計算間違いをしない人だった。
福利厚生の人はそういう法律に詳しく、年金の計算などもすぐにできただろう。
配達する人は、まじめにクルマを運転して時間通りに届ければよかった。
窓口で和文タイプをうつ人は、広い盤の上をすばやく動かして、キーをたたいていた。
昨日も書いたが、もちろんレジは早い人でないと打てず、早いことが優先で愛想は二の次だった。

無口でも、そういうことがちゃんとできれば、仕事があった。

勤勉という言葉がある。
それは、そういう仕事をちゃんと間違いなくこなす、という意味だろう。

昔の仕事はおしなべて勤勉さが求められるものが多かった。
勤勉、まじめが美徳の第一だったと思う。

しかし、いろんな事が変わってきた。
パソコン、インターネット、IT化。
それが仕事を変えてしまった。

伝票は電子化され、起票したら後はコンピューターで処理される。
経理の仕分けなどは、会計ソフトがやってしまう。
もちろん、計算などする必要もない。
全てのそういう計算が、システムの導入で済んでしまう。
和文タイプなど使わない。全てワープロだ。
納税者番号ができたら、その番号を読み取るだけで名前を入れる必要などないだろう。
ドライバーは端末を持ち、セールスドライバーになった。
レジはバーコードを読ませるだけだ。

勤勉という価値はどこかにいってしまった。

勤勉であることはそれほど評価されない。
それは無口にもつながるからだ。

人間の色々な能力のうち、まじめに何かをする、という能力はITが取って代わった。

今は働く時に何を重視されるか?
もうコミュニケーション能力しか残っていないのだ。

大多数の職業では、それ以外の能力は求められない。
それがIT化をすすめてきた結果なのだ。

どんどん住みにくい世の中になっていくぞ…。


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