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2009.05.21 Thursday
稟議
稟議とかいて、「りんぎ」と読む。
サラリーマンにはおなじみの言葉。 組織で何かをしたいときに、上の人の承認をもらわないといけない。 それが稟議書とか起案書とかいうもの。 例えば… 来年度は予算でこういうものを買いたい。 今回の新製品の名前はこれにします。 どこそこに出張に行きたい。 というような内容。 すっきりした組織では、この稟議が短い。 権限委譲ができている。 ハンコを押す人数が少ないのだ。 もちろん、課長なら200万円までとか、部長なら1000万円までとか、そんな風に決まっている。 例外もあって、そういうのは決裁者が上に回す。 その人が判断して、これはどうかな、と思ったら上にあげる。 そういう組織は意志決定が早い。 決定に関わる人数が少ないから、当たり前と言えば当たり前。 重たい組織では、稟議が長い。 権限委譲ができていない。 何でもかんでも、みんながハンコを押す。 なぜか? 責任を分散するためだ。 赤信号みんなで渡れば…というやつ。 結局は一番上の人が責任を取らないといけないのだが、それでも、たくさんの人がハンコを押していれば、こいつが悪い!と言える(かもしれない)。 交通費560円の出張でも、15人ほどがハンコを押し、2000万円の買い物でも15人ほどがハンコを押す。 これは組織の風土を表しているのだろう。 軽快な組織は意志決定が早く、それだけ機会損失が少ない。 重たい組織は意志決定が遅く、機会をロスする。 たまには早まった事をせず、得をすることもあるが、一方で間違っていても延々と続けてしまう。 誰が考えても、560円と2000万円は重みが違う。 それでも、そんな組織にずっといる人は意外と気づかない。 気づいても、やがて諦める。 そんな風にして、組織はダメになっていくのだろう。 組織は面白い。 |
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