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2009.05.07 Thursday
ネタ帳
落語研究会でやったネタのテープがある。
カセットケースに入れて置いてある。 寄席にかけたものだけだから、全部で15くらいかな。 春と秋の寄席と、自分が出た月例の寄席だ。 花色木綿、七度狐、池田の猪買い、口入屋、饅頭こわい、軒付け、湯屋番、胴乱の幸助、親子酒、向う付け、長持…、あとは忘れてしまった。 落語を覚えるために、まずネタ帳を作る。 テープを再生しては止めて書き、また少し巻き戻して再生しては止めて書き…、一行おきに書くとすぐ20ページくらいになる。 今なら、デジタルにして、ゆっくり再生して書くなどという方法もあるなあ。 ネタ帳作りをした時点で、だいぶ覚えている。 でも、まだ口をついて出るというところまではいかない。 次に、高座でネタ帳を見ながらしゃべる。 プロは口うつしで覚えるらしいが、ぼくらはネタ帳を読む。 何回か通しでしゃべって、ボチボチ覚えたかな、というところでネタ帳ナシでやってみる。 ところどころ、忘れたところはネタ帳をみて、そしてやっと暗記する。 ここからがスタート。 ネタを何度も繰る。 道を歩きながら、ブツブツ言うのだ。 それと併行して、仕草を教えてもらう。 基本は上下(かみしも)だが、噺によってはいろんな演出がある。 手拭いを使ったり、扇子を使ったり…。 目線の使い方や女性の演じ方、声の使い方など、先輩に聞く。 そして、寄席の前には高座で練習。 みんなの前でやる。 これがきつい。部員はよほどのことがないと笑わない。 やっと本番を迎える。 何度か失敗したことは書いたから、もう書かない。 年に2回の大きな寄席。春と秋にある。 その寄席ではあまりよい思い出はない。 かろうじて、最後の2回はまあまあうけたかな…。 今となってはよくわかる。 練習が足りないのだ。 覚えて、何度か舞台でやって、それからその噺が面白くなってくる。 面白くなるどころか、その手前で演じるのだから、しかたがない。 ぼくみたいに不器用な人間には、難しかった。 でも、落語をやったことは後悔していない。 あの演じている時の感覚や、客席と一体になった時のすごさ…。 もう二度とできないだろうが、あんな経験ができたのは本当によかったと思う。 |
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