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2023.07.30 Sunday
友人と幸福
作家のエリック・バーカー氏は「人間の幸福度が最も高いのは、友達と過ごす時間だという研究結果がある。たとえば、職場に親しい友人が3人いれば、人生に幸せを感じる可能性が96%高くなる」という。
「残酷すぎる人間法則 9割まちがえる「対人関係のウソ」を科学する」という本のレビューに書いてあった。 相談していて、学生に「親友は何人いる?」と聞くことがある。 親友の定義は「誰かの悪口をどんなに言っても、絶対にその人には伝わらない」と思えること。 だいたい、5人までの人数だ。 友達は多いという学生でも、少ないという学生でも、親友の数はあまり違わない。 アメリカ人は平均4人と親しく、そのうち2人が親友だという。 ダニエル・カーネマンは行動経済学でノーベル賞を取った人だが、元は心理学者だ。 その彼が、人々のその時どきの幸福度を調査すると、友だちと過ごしているときが最も高いことを発見したとのこと。 職場に親友が3人いたら、人生に幸せを感じる可能性が96%高くなるという。 仕事を満足するだけでなく、人生の満足するということになるからだ。 なんとなく頷ける結果だと思う。 逆の調査結果では、友だちがいなくて孤独感を感じることによる健康への悪影響は、1日15本のタバコに匹敵するという。 独居老人が認知症になっていくのは、孤独だからだろう。 やはり、社会的なつながりは大切なのだと思う。 この記事ではデール・カーネギーの「人を動かす」にも触れている。 この本は実家の本棚にもあった。 今でも毎年25万部売れているとのこと。 そのカーネギーが「人を動かす」ために勧めているのは「人の話を聞くこと、相手に興味を持つこと、相手の立場に立って話すこと、心から褒めること、相手との類似性を探すこと、衝突を避けること」など。 これは研究が進んだ今でも、いろんな実験で検証され、ほとんど正しいらしい。 こういう実験をするのが、アメリカ的だ。 ただ、「相手の立場に立って見ること」ということについては、効果がないだけでなく相手との関係も悪くしてしまうらしい。 よく自己PRで「相手の立場に立って考えることができる」と書いたりするが、これはビジネスでは正しいが、友だち関係ではいいとは言えないのか。 それでは、友だちを作るにはどうしたらいいか。 それは、この記事にも書かれているが、尊敬する若新雄純も言っていたことだが、「時間を割いて一緒に過ごす」ことだという。 それは100%そうだと思う。 親友のもう一つの定義は「自分のために喜んで時間を作ってくれる友だち」ということだ。 この記事にも、友達になるには100時間、親友になるには200時間以上かかる、と書いてある。 そういう時間を経て親友はできるもの。 だからこそ、貴重であり、幸福の源泉なのだろう。 年をとって、だんだん幸せでなくなるのは、そういう人を失っていくという側面もある。 人生の終わりは難しい。 |
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