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2023.07.09 Sunday
ハーバード・ビジネス・レビューのAI記事
「生成AIは仕事を奪い去るのではなく、人間の力を拡張する」というハーバード・ビジネス・レビューの記事があった。
冒頭に「チャットGPTなどの生成AI(人工知能)は、人間とコンピュータの関わり方に破壊的変化をもたらし、情報検索のあり方を変え、さまざまな産業で仕事を変容させる可能性がある。この事態に多くの企業リーダーは困惑している。」と書いてある。 いろんな記事を見るが、進んで取り入れる企業もあれば、慎重な企業もあるようだ。 それが「困惑」ということなのだろう。 記事では、人間の仕事を自動化によってなくそうとすべきではなく、効果的な活用ができる分野で、より戦略的な方針を取るべき、ということだ。 顧客サービスを例にとって、その仕事を13のタスクに分け、AIの影響を分析すると、今までと変わらないタスクが4つで、完全に自動化できるタスクが4つ、残りの5つは人間の仕事を効率化するために活用できる、という。 変わらないタスクは、顧客対応環境の整備や、組織の運営、活動、手順の指揮など。 これは人間がやるべき仕事だろう。 自動化できるタスクは、製品やサービスの価格決定、支払金の回収といった、反復的で体系化された業務など。 直接の顧客との対話などではなく、どちらかというとその前や、その後にやらないといけないことが主に自動化の対象となるということか。 5つのAIを活用できるタスクは、顧客が抱える問題や問い合わせへの対応、利用者やクライアントや顧客への情報提供、製品やサービスのプロモーションなど。 これは人間が対象の業務であり、人間が実施する必要がある。 たとえ電話対応でも、自動音声でAIにやらせられない業務という認識。 今のAIは人間の感情などわからないから、任せるのは難しい。 だいいち、もっともらしいウソを言われたら困る。 まあ、そのウソもちゃんとやり取りを学習すればなくなるというが、完璧にはなれないだろう。 いくら賢いとはいえ、意味はわかっていないのだから。 一番可能性があるのは、手順が決まっていることだ。 そういう意味で、法律や行政の対応は(前にも書いたが)置き換えられるだろう。 本来、誰もができることを、わざわざ資格を作って仕事を作っているのだから。 結局、もう少し時間をかけて見ていく必要がある、ということになる。 この記事の最後に「今後進むべき道筋」という見出しでこう書かれている。 「顧客サービスはわかりやすい例ではあるが、これは生成AIが組織全体にまもなく及ぼすことになる影響のごく一部にすぎない。ほかの主要なイノベーションに際しては、企業が導入し始めた時点でテクノロジーは比較的安定した「製品」となっていた。生成AIと大規模言語モデルはそうではなく、導入と進化が同時に進むことになる。なぜなら、ブレークスルーの度合いが非常に大きいからだ。 企業は待っている場合ではない。仕事を再構築し、人間のタスク、自動化されるタスク、強化されるタスク、新たに生まれるタスクを、企業特有の事業の状況、文脈に照らして最も効果的に組み合わせるべきであり、この困難な仕事に、リーダーはいまから着手しなくてはならない。 生成AIのテクノロジーは導入と進化がほぼ並行して進むため、継続的に破壊的変化をもたらすことになる。だが同時に、人間の創造性を引き出し、これまで解決不可能だった問題を解決する力を人々に与える。」 とにかく、活用していくことが生成AIについていくことであり、その中で模索していくことが必要だと思う。 |
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