考えたこと2

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実家じまい
母は老人ホームに入り、毎月の支払いが足が出る状態。
また、実家に住みたいという関係者もおらず、仕方なく実家をしまうことにした。
不動産をやっていた遠い親戚に不動産屋を紹介してもらって、転売することになる。
もちろん、母の了承がなければ売れないから、それは司法書士に確認してもらうことになる。

ここ数週間、週末に行って必要なものを探し、持って帰るという繰り返し。
結局、本当に必要なものはもう持って帰った。
できれば最後に認知の母を連れて行って、40数年過ごした家の最後の姿を見せたかったが、コロナ禍の影響でできるかどうかわからない。

元々、母の父親が戦後に買った土地だったらしい。
周りに何もなく、田んぼばかりの所だったと母から聞いた。
昭和38年に家を建てて、そこに移り住んだ。
ぼくが小学校1年の時だ。
移り住んだときは、前の道も未舗装だった。

それまでは近所の祖父母の家の隣に住んでいた。
1キロと離れていない近所に引っ越した。
引っ越してすぐに祖父は亡くなった。

その家には6歳から19歳まで住んだ。
たった13年。
ぼくは今年65歳になるから、ちょうど5分の1だ。

でも、思い出の数から行くと、半分くらいにはなる。
小学校から高校卒業、大学1年の途中まで。
そこからは下宿した。
大学を卒業してから寮に入り、それからちょっとだけ実家暮らしをしたが、すぐ結婚して家を出た。
だから、結局13年しか住んでいない。

それでも、節目節目には実家があった。
父が生きている頃は正月には帰ったし、月に何度かは実家に行っていた。
もちろん孫ができてからはよく帰った。
父が亡くなったときは長男は制服姿だった。

いつしかその孫も下宿し、卒業して東京に行ってしまった。
母が一人暮らしで、10年ほど住んだ。
この時に、心不全や脳梗塞をやって入院した。

退院後は坂の上で買い物ができず、最後の方は生協の宅配が頼りだった。

母は自らサービス付き高齢者向け住宅を見つけ、そこに住むことにした。
そこで大腿骨頭骨折をして、入院し、認知が進んだ。
何度か歩行器で転んで、また反対側の大腿骨頭骨折をして入院し、今の老人ホームに移った。

ぼくはずっと母を見てきたが、やっぱりコロナで面会できなかった入院期間がうらめしい。
あれで認知症がどんどん進んだのだと思う。

先週末、実家に行き、結局母の本をたくさん持って帰った。
谷崎潤一郎の源氏物語の1万円ほどする本は、こないだ聞いたら覚えていた。
大阪まで買いに行ったという。
広辞苑以上の厚みがある。

母があまり出歩けなくなった頃の楽しみだった読書。
海外と国内のミステリ、時代小説など。

ぼくも何年か後、暇な時間ができる。
その時のために、母が長い時間を過ごした本を、いつか読みたい。

今の本より、昔の本のほうがいいのだ。

そして、長いことありがとう、と言って帰った。


| hdsnght1957kgkt | 考えたこと | 21:20 | comments(0) | trackbacks(0) |