考えたこと2

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PCR検査
PCR検査という言葉がよくテレビで聞かれるようになった。
「PCR」というのは、長らくぼくにとっては乗用車用ラジアル(Passenger Car Radial)という意味だったが、今回違う意味が加わった。

ウィルスの検査に使われるのが、PCR検査。
この精度が低く、コロナウィルスの場合、さほどあてにならないということだ。

検査のためには、検査できる程度にウィルスを増やすことが必要だ。
これが細菌と違って、ウィルスは難しい。
細菌は生き物だから、栄養を与えると増えていくが、ウィルスは遺伝情報が入ったカプセルみたいのもので、そう簡単に増やせない。
Wikipediaによると、ウイルスの定義は以下のようになっている。

「ウイルスは細胞を構成単位とせず、自己増殖はできないが、遺伝子を有するという、非生物・生物両方の特性を持っている。 現在のところ自然科学では生物・生命の定義を行うことができていないため、便宜的に細胞を構成単位とし、代謝、増殖できるものを生物と呼んでいるが、ウイルスは「非細胞性生物」として位置づけられる。」

要するに、細菌のような生物ではないから、栄養を与えて増やすことはできないということだ。
培養しようと思ったら、何らかの細胞にそのウィルスを感染させて、その細胞を増やすしかないという。
その上で、増やした遺伝子を調べるしかないということだ。

それはごく微量のために、なかなか検査はできない。
既知のウィルスの場合はそうやって検査するのだが、今回のように未知の場合は都合のいい細菌もなく、遺伝子そのものを調べざるを得ない。
ここが難しいところだ。

そのために、検体の遺伝子をコピーする作業が必要となる。
その装置がPCR装置。
したがって、ウィルスの遺物(壊れた後のもの)の遺伝子が残っていても、コピーして増やすと陽性反応が出てしまうことが起こる。
だから、PCR検査は精度が低くなっているという。
要は、非常に難しい検査をしているということになる。

検査キットはPCR検査よりも精度が低く、これを適用するのは「ハイリスク集団」だから、効果があるということだ。
この場合、ハイリスク集団は実際に発熱が続き、何らかの症状がある、という集団になる。
その場合は検査キットでも精度は上がる。
インフルエンザの検査のように、そういうことを理解して使うことが必要なのだ。

マスコミに出てくる「専門家」は、もっと検査精度の限界をはっきりと示すべきだと思う。
そして、ちょっと心配だから検査をしてほしいという人たちを、そこからオミットしないといけない。
それが、医師の判断で検査をするかどうかを決める、ということなのだと思う。

マスコミの論調は検査は100%正しい、という感じだが、世の中に100%正しい検査など存在しない。
常にエラーとの戦いをしているのが、検査というものなのだ。

そこをもっと伝えるのが「専門家」の役割ではないか。





| | 考えたこと | 22:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
神戸市教育委員会
神戸新聞は地元ということもあって、東須磨小学校の教員の暴力事件を積極的に取材している。
こないだの記事で「神戸市の教育委員、市教委事務局幹部の更迭へ議案提出も否決」というのがあった。

記事を読んでみると、神戸市の教育委員(当たり前だが、教育委員会の構成員)が会議の席上、市教育委員会事務局幹部2名の更迭を求める議案を提出していた由。

行政の設置する委員会というのものは、お飾りの委員(と名言はしていないが)を選んで、結局は事務局が下打ち合わせなどをして、そのとおりに進めていく、という形式がほとんどだと思う。
以下はあくまでもぼくの私見。

それでも、さすがに今回の事件は大変なことだと思ったのか、教育委員からの議案が提出されたということだ。
教育委員会事務局にとっては、困った事態。
長年の運営で、そういうことは想定外なのだろう。
でも、建前上は当たり前のこと。
そういうことが、行政の委員会などで常態化しているのが、日本の地方自治の根本的な問題だと思う。

記事では「教育委員による議案提出は異例。議案は賛否が割れ、最終的に否決されたという。」とあった。
議案は教育次長と総務部長を移動させる内容だったとのこと。
総務部長は公表されていないが、教育次長2人は名前と経歴が公表されている。

教育次長はいずれも神戸市に採用されて、一人は平成21年から教育委員会と中学校校長を歴任し去年の4月から教育次長、もう一人は、平成16年から教育委員会の事務で間に小学校の校長を2年間挟んでいる。
結局、この人たちが教育委員会を動かしているのだろう。
だから、今回の事案で教育委員から更迭の事案が出たのだと思う。

教育委員たちはほとんどが大学のセンセイで、小学校や中学校の教育のことなどわからない、と事務局がたかをくくって、現状維持の方向(自分たちが仕事がやりやすい方向)でまとめてきたのだと思う。
選ばれた教育委員たちも給料がもらえるのなら、別に問題意識など持っていなくて構わないと思ったのだろう。
しかし、今回の事案はあまりにも非常識で教育現場にあるまじき行為だったので、委員のセンセイ方もものを申したのだと思う。

記事には「同問題では、加害教員を分限休職処分とする際、事務局が根拠条文を間違えて記載したり、外部の調査委員会への提出資料に漏れがあったりするなど、事務的なミスが続いた。最近では、情報共有や連絡体制の在り方を巡って、教育委員が公開の場で事務局に見直しを求める場面もあり、組織の立て直しを求めて議案を提出したとみられる。」と書かれている。

この問題には、教育委員会などの組織の立て直しこそが、根本的な改善策であり、そのガバナンスを変えることこそ必要だとぼくは思う。
ついに教育委員が立ち上がった、ということだ。

ところが、その議事録を確認しようとしても、ネット上に議事録がない。
2月の定例会議の議事録には、そういう議題すらない。
ましてや否決されたという記録もない。

一体、どうなっているのだろう。

このままでは、神戸市の?育界は何も変わらないぞ。





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