考えたこと2

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読解力
計算はできるのに、文章題ができない学生がたくさんいる。
特に割合の文章題。
割合というものの概念がわかっていない。

割合というのは部分を全体で割ったもの、という説明をする。
必ずそうとは限らないのだが、とりあえず、そう説明するのだ。
いくら説明しても、意味で理解しようとしない。
意味を取れないので、表現で判断しようとする。
そうなると、文字で判断せざるを得ない。
都合よく「全体は100で、その時の部分は50」とは文章題に書いていないから困るのだ。

仕事算でも、A君はこの仕事を終わらせるのに10日かかる、と書いてあっても、A君の1日あたりの仕事量は1/10、ということにならない。
いくら仕事全体を1とおいて考えよう、と言っても難しい。
「仕事全体を1とおく」ということ自体が理解できないのだと思う。
10日かかるというのはわかるのだが、「仕事全体を1とおく」というイメージを持つことができない。
割合の概念がわからない、というのはこういうことなのだ。

速度の問題でも、「はじき」で覚えている。
「はじき」とは「速さ、時間、距離」の頭文字。
要は速さ=距離÷時間、時間=距離÷速さ、距離=速さ✕時間の関係を、図と言葉で覚えているのだ。

問題では、時、分が混じっていたり、km、mが混じっていたりする。
そうなると、もう難しくなる。
速度は単位時間に移動する距離のこと、ということの「意味」をわかればいいのだが…。
あとは単位をそろえるだけの話。

新井紀子の書いた「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」にも読解力のことが書いてあったが、文章題が不得意な大学生たちを見ていると、本当に「読解力」というか、意味を考える力が足りないと思う。
新井さんも、意味をとるということが、AIに勝つ上で重要だと言っていたはず。
リーディング・スキル・テスト(RST)も、意味を理解する力を問うために開発された。

文章題も、意味を問うところで引っかかっているのだ。
手でさわれるもの、つまり形而下のものは頭で考えることができても、「割合」のような手でさわれないもの、形而上のものを頭で考えて、実際にあるもののように操作することができない。
だから、文章題が不得意なのだと思う。

読解力とは、想像力も含むものではないか。
形而上のものを想像する力も必要なのだと思う。

RSTを作るときには、それについてもっと研究してほしいと思う。




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