考えたこと2

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引きこもり問題
日本の「引きこもり」は世界で注目されているらしい。
海外で「Hikikomori」という単語がその意味で通用するとのこと。
厚労省では、「学校にも仕事にもいかず、家にこもって社会的な交流をほとんどせず、こうした状態が6か月以上続いた場合」と定義している。
老人の「寝たきり」に近い状態だ。

2016年の内閣府による調査では、15〜39歳の日本人54万1000人(1.79%)が「引きこもり」らしい。
これから働き手が減るのに、貴重な労働力だ。
だからこそ、内閣府も調査したのだろう。

引きこもりが言われ始めた頃、欧米ではそんなものはない、と聞いた。
特にアメリカでは子どもが大学に行く年齢になったら自活するのが普通で、引きこもってなどいられない、ということだった。
学費の高騰などで事情は変わっているかもしれないが…。

今回秋田大学で引きこもりに関する研究結果が発表された。
調査対象は、日本全国各地の200の自治体から無作為に抽出された15〜39歳の男女3287名。
親に対して、6ヶ月の間に家から(ほとんど)外出をしなかった、という子どもたちを「引きこもり」と判断した。

この結果、回答者の1.8%が引きこもりで、都市もいなかも変わらないとのこと。
3:2で男性のほうが多い。
引きこもりは、商業施設や店舗が多い地域で暮らしているとのこと。
地域や家族の人数、社会階級との関連性は見られなかった。

引きこもりの最も重要な要素は、「人付き合いを非常に苦手としている」ということだった。
こんな当たりまえ過ぎることも、今回の調査で初めて明らかになった。
人とうまくやっていけないから、家に引きこもるのだ。

ただ、見ず知らずの人と会うのはマシらしい。
彼らは、面識のある人やコミュニティを恐れている。
だから、対人恐怖とは違う扱いになる。

研究が示す治療の方向性としては、「コミュニケーションスキルを向上させるような訓練を行い、過度に人目を気にしないようにうまくコントロール」するということだ。
書くのは簡単だが、実際にそうするのは難しい。

引きこもりのきっかけは、高校や大学の中退歴。
だから、学校にとどまれるような支援もいいかもしれないとのこと。
まあそうだろう。
何事も治療より予防のほうが効くのだ。

しかし、本当の問題は40〜64歳の年齢層。
推計で61万人以上の引きこもりがいるらしい。
こっちの方が多い。

1995年から2005年あたりの就職氷河期は厳しい時期だった。
バブルの後処理で、経営者が雇用を抑制していたからだ。
終身雇用制度の日本では、新卒採用を抑制するしか雇用調整ができない。
この時期の人たちは、その時の企業の正社員を守るために犠牲になったようなもの。

その時に就活した人たちが40代くらい。
ロスト・ジェネレーションとか言われたりする。

こっちの方も、調査して助けてあげてほしいと思う。
最終的には、雇用を流動化するしかないとは思うが…。





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