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2016.12.21 Wednesday
クールでない日本
アニメといえばクールジャパンの代表格。
海外ではドラえもんやクレヨンしんちゃん、セーラームーンなどのキャラクターが有名だと聞く。 今は一時よりも熱が冷めたようだが、それでも存在感があるらしい。 アニメの輸出は、日本の文化の輸出でもある。 実写ほどの制約がないために、作り手が思い通りの世界を描けるのも魅力だろう。 宮?駿の世界など、アニメでなければ描けない。 そこに日本人の価値観みたいなものも見える。 興行収入も大きくなってきた。 「君の名は」は日本でもヒットし、お隣の中国でもヒットしているという。 さぞかし、アニメ関係者は儲かっているのかと思ったらそうでもない。 若いアニメーターの生活実態調査というのを見たら、彼らをとりまく状況は良くない。 なんと彼らの53%が経済的に自立できてないという。 そのため、家族の支援を受けて生活している。 AEYAC若年層アニメーター生活実態調査によると、経験年数3年以内のアニメーター153人のうち、実家ぐらしが35%いて、主な家計支持者ではないという回答。 また、65%の実家ぐらしでない人のうち、31%が仕送りをもらっている、という結果。 この合計が53%になるという。 この理由の一つは、アニメ映画のエンドロールを見ていると、たくさんの中国人の名前が出てくることにもあると思う。 多くの製作者が人件費の安い中国のアニメーターを使っているということだ。 アニメは労働集約産業であり、人件費を切り詰めて成り立っている。 当然、安い労働力に対抗するために、日本のアニメーターの給料も切り詰められる。 それが悪魔のサイクルになって、より一層安い単価で働くという環境を生む。 これでは、やりたい人もやれなくなる。 アニメが好きで、憧れてアニメ業界で働きたいという若い人も多い。 しかし、食うや食わずの生活に耐えて、ようやく何人かが上に上がっていくという構図だろう。 アニメ業界を支えている裾野の部分が甚だ危なっかしい。 余暇産業はこれからの成長産業だ。海外で稼ぐこともできる。 その一つがアニメだろう。 コンテンツを生み出せば、そこからポケモンのように広がっていく。 2次元のアニメーションという日本人のお家芸は、まだまだ通用すると思う。 どうにかして、若いアニメーターたちが自立し、食えるようになってほしいと思う。 クール・ジャパンと言っているが、食えないアニメーターたちに支えられているとしたら、ちっともクールではないぞ。 |
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