考えたこと2

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手書きの効果
数年前から若い人たちが来るようなセミナーに行くと、ノートPCでノートを取っている人がいる。
テレビの白熱教室でもそういう人がかなり増えた。
ブラインド・タッチでタイピングができるようになると、明らかに手で書くよりもたくさん書ける。
やってみたら確かに書けるのだが、ぼくはどうもノートを取った気がしない。

以前はたいがいセミナーなどに行ったら、出張報告を書いていた。
ノートを見ながらセミナーの内容を思い出して、それをレポートすることになる。
その時にPCでノートをとると、どうもレポートしづらい。

いろいろ考えてみたが、やり方がまずいんだと思う。
書けるからといって、何でも書いてしまうと何が重要で、何が重要でないかがわからない。
おまけにベタで言葉を打つから、メリハリがない。
セミナー中は言葉を追うのに必死で考える余裕がない。
だから、見返しても思い出すことが少ない。

手書きなら、字の大きさを変えたり、場所を変えて書いたり、線を引いたり、色を変えたり、回りを囲ったり、矢印をつけたり、自由自在だ。
一度話したことを後から関連付けるようなことを話せば、そこに矢印を書いて追記できたりする。
要するに、考えながら書いているんだろう。
このへんの融通がPCでは難しい。

余談だが、最近はパワーポイントのスライドの縮小版を配布してから、セミナーをしたりするからそこに書き込むことが多い。
これは親切だと思う。
でも、パワーポイントを多用したセミナーは、これはこれで問題がある。
セミナーの目的にもよるのだが、話すことをたくさん書いたスライドを次から次へと見せられると印象に残らない。
これはやっぱり目で見る情報量が多すぎるんだろう。
それを処理していると、考えることができない。
そういうのに限って、グーグルで検索すれば出てくるようなことを延々と書いてあることが多い。
詰め込みすぎなのだ。
親切でやってくれているのだとは思うが、セミナーとしては今ひとつ。
PCでノートを取るのと通じるところがある。

気づきを与えるセミナーというのは、難しい。
要するに、どこを伝えたいのか、話し手がわかっていないとダメだ。
目からの情報も必要だが、やっぱり視線は話し手を見たい。
表情とか、声のトーンとか、話しぶりも大きな情報だ。
ホワイトボードに自分で書きながら話すのがベストだと思う。
そして聞きながら、ノートを取るのがいい。
そんなにたくさん書かないが、これは、というところはノートに取る。

あれもこれもと盛り込むことがパワーポイントで可能になって、印象に残らないセミナーが増えているような気がする。

手書きの良さを、話し手も、聞き手ももっと考えないとイケナイと思う。

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