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2016.12.10 Saturday
正しいこと
正しいことをやるのは簡単だ。
でも、何が正しいかを決めるのが難しいのだ。 テロだって、やっている側からすると至極正しいことだ。 南シナ海で中国がやっている拡張主義だって、中国からすれば正しいことだ。 国の数だけ正しいことがある。 いや、人の数だけ正しいことがあると言ってもいいのだろう。 では、みんなが納得する正しいことはどうやって決めるのか。 共通の価値観を持たないといけない。 今の時点でこれは正しいと思うのは民主主義が一つ。 自由、平等というような価値には普遍性があると思う。 少なくともぼくら戦後の民主主義教育を受けてきた人間はそう思っているはずだ。 だから、差別や格差という問題は悪だと捉えるんだろう。 でも、これは国によって違うみたいだから、難しい。 民族とか人種とか、歴史が絡むとややこしくなる。 人が豊かな生活を営むために石油を燃やす自由と、温暖化で沈んでしまう国はどう折り合いをつけるのか。 アメリカ・ファーストと言ってトランプ氏が次期大統領に選ばれたが、それなどはもろに引っかかる。 自国の利益と世界の利益は相反する場合が多くなってきた。 21世紀はそれがぶつかる時代なのかもしれない。 正しいことのもう一つは、科学だと思う。 人間を超えた科学の法則などは、やっぱり絶対的な正しさがあると思う。 だから、「それでも地球は回っている」と言ったガリレオは讃えられているのだろう。 その結果、宗教で争いをしてきた西欧の社会は、政教分離で神を捨て科学を取った。 宗教は大事だが、科学的には神は存在しない、と思うことにしたのだ。 しかし、それもイスラムの一部の国々には通用しない。 やっぱりイスラム教ファーストなのだろう。 実際、以降アメリカでも宗教の自由の揺り戻しで、移民であるモスリムの人たちが排斥されたりしている。 今の世界を見ていると、民主主義と科学という2つの価値がどんどん下がっているように思える。 ぼくらはそれを両方とも無邪気に信じている、最後の世代になるのだろうか。 1945年に第2次大戦が終わり、長い冷戦が続いて、また熱い争いの時代が来るんだろうか。 人類はそんなにバカではないと思う。 でもなあ…。 |
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