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2008.08.21 Thursday
勇気を…
最近、オリンピックや大きなスポーツの大会などの実況のあと、ファックスで視聴者からのメッセージを受け付け、その場でアナウンサーが読み上げることがある。
上手なイラストが描いてあったり、飾りの文字が書いてあったりする。 もちろん、メッセージが添えられているのだが、その中で「勇気をもらいました」「勇気をありがとう」というのをよく聞く。 たしか、北島選手が平泳ぎで金メダルを取ったときも、そういうメッセージがいくつか届いていた。 「おめでとう」とか、「スゴイ」とか、「感動しました」とかいうのはわかるのだが、「勇気を…」というのはどういうことなんだろうか…。 大辞泉という辞書によると、勇気とは「いさましい意気。困難や危険を恐れない心。」という意味。 選手が金メダルをとって、いさましい気持ちになる…という意味で書いているのだろうか。 そうなんだろうなあ。 困難や危険は、この際関係ないだろう。 選手が金メダルをとったから、自分もがんばれるぞ…といういさましさだろうか…。 そんなことができると思っているなら、選手に失礼ではないか。 何年もの間、好きなこともガマンし、ひたすらレースやゲームに勝つために苦しい練習を重ねてきたからこそ、スゴイ成績を残せたのだ。 その成績に対して、めでたいし、すごいし、感動する。 でも、勇気はもらえない。 勇気がもらえるほどの努力をしているなら、もらえばいいのだが、それほどの努力をしている人がどれだけいるのか…。 何を対象にがんばっているかは、人それぞれだろう。 仕事なのか、勉強なのか、スポーツなのか…、でも、どれにしたって彼らアスリートが、「その日」に勝つために積み上げてきた努力に比べたら、そう簡単に「だから自分もがんばれる…」などと思えるものであるハズがない。 それを言えるということは、彼らの努力を甘く見ているか、それとも単に気楽なだけではないかと思う。 そんなこと、別に目くじら立てることでもないのかもしれない。 テレビ中継を見て、興奮してつい筆がすべったのか。 でも、そう簡単に「勇気」はもらえないと思う。 |
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