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2022.12.16 Friday
後工程はお客様
日経クロステックという雑誌の今年の11月の記事を、読まれた年代別にランキングをしていた。
その記事によると、20代〜40代が読んだ記事の1位は「Pythonが「メインの利用言語」で2位にとどまる、1位に立ったのは定番のあの言語」というもの。 プログラミングの関係している人たちは、どの言語がメジャーかに敏感なのだろう。 一方50代、60代の1位は「ルネサス・ソニーから、日本電産の半導体トップへ 「日本はきっと負ける」」。 50代以上になると、きっとプログラミングの現場からは遠のくのだろう。 だから、半導体関連の記事になったと思われる。 こないだ友人に聞いたら、大手のITベンダーは昔と違ってプログラムを書かない(書けない)人が増えているという。 彼いわく、昔はプログラムが書けてなんぼだったが、今はそういうのは下請けがやるという。 もちろん、プログラミングができる人もいるのだろうが、全くコードを書けないSE(システム・エンジニア)もいるらしい。 ネットにもそんなことが書いてあった。 ぼくが仕事をしていた頃は、「後工程はお客様」という言葉があった。 顧客と直接やり取りはなくても、自分の仕事の下流はお客様だと思え、ということだ。 だから、後工程の仕事も理解して、そこがやりやすいようにするべき、という思想。 メーカーは、だいたいそういう考えでやっているはず。 QC(品質管理)から来た言葉だろう。 SEの仕事は、客の要望を聞いて、それを実現するシステムを作ることが第一。 プログラミングはそのシステムを動かすためのものだ。 「後工程はお客様」という考えでいうと、SEの後工程がプログラマになると思う。 だから、SEはプログラミングができたほうがいいのだ。 それが後工程の仕事を理解したことになる。 日本のITが今一つなのは、こんなところに原因があるのかもしれない。 大手ITベンダーはITゼネコンとも言われている。 下請け、孫請けを使って、システムを組み上げるという構造になっているからだ。 「事件は会議室で起きているんじゃない!」とは「踊る大捜査線」の織田裕二のセリフ。 この言葉も「もっと現場を見ろ」という意味だろう。 80年代から90年代にかけて、日本の製造業の強さは意外とそんなところにあったのだと思う。 ITの時代になっても、そうではないかと思うのだが…。 |
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