考えたこと2

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就活ルール廃止
経団連が「就活ルール」の見直しをするという。
「就活ルール」というのは、「倫理憲章」のこと。
毎年経団連が出しており、学生の青田買いを防止するために学生への接触時期や選考開始時期を決めている。
あくまで経団連の加盟企業だけが拘束力を受けるが、インターネットのナビなどはそれに従って、就活のスケジュールを決めている。
でも、事前のインターンシップが増えて、有名無実化しているのも事実。
そういうわけで、今年の第一声は「ルール廃止」というものだった。

経団連に入っている企業は1300社ほど。
日本の代表的な企業で、大手ばかりだ。
そういう会社は、ルールで縛られても買い手市場だから人が採れていたが、だんだんと苦しくなってきたということだろう。
経団連に入っていないユニクロや楽天など、新しい勢力がいろんな採用手法を使って新卒採用をやり始めた。
外資系も同じだ。ルールに縛られない会社がどんどん早めに囲い込みをするようになった。
経団連加盟企業も、早期にインターンシップをやって、そこでこっそり内内定を出すということも横行している。
だから、「ルール廃止」というのも当然と言えば当然。

これに対して、いろんな声が上がっている。
大勢は「ルールはあったほうがいい」というもの。
なかでも大学は、経団連加盟企業がルールを廃止すると、就活が早期化、長期化して学業に影響が出る、という意見が多いと思う。

でも、中には大学で職業に役立つ知識をつけるために、ちゃんと4年間の教育をやって、卒業してから就活するのもありだ、という人もいると思う。

実質、今の文系の大学教育は3年間のプログラムだ。
就活があるから、という表向きの理由でそうなっているのだと思う。
卒業要件の124単位は、卒論とゼミを残して普通は3年間で取れる。
実質4年生は卒論とゼミだけという学生が非常に多い。

前に書いたが、大学でキャリアの仕事をしているとき、4年時に必修の授業を設けてくれ、と言ったことがある。
学生が学校に来ないからだ。
その時に調べたのだが、文系で、4年時に卒論以外の必修授業を設けている学校はなかった。
結局、就活をしている4年生をつかまえようと思ったら、ゼミでつかまえるしかない。
しかし、ゼミの時間に教室に行っても、やっていなかったりする。
卒論は個別指導ということで、メールでやっている教師もいる。
そういうことをするから、4年生がつかまらず、キャリア支援の部署は苦労することになる。

大学が3年で終わると、学部を新設しても、それほど教室も増やさなくても済むし、大学経営は楽になる。
教師も、何かと楽なんだろう。

そのことを棚に上げて、学業に差し障るというのはいただけない。

大学教育をちゃんとするために、4年間のカリキュラムを立てて、ちゃんとやるために、卒業後に就活する学生がいてもいいと思う。
その分、大学はちゃんとやらないといけない。
それをサボっているのだ。

学業に差し障っているのは、今の制度なのだと思う。



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