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2009.09.11 Friday
科学研究費
科学研究費というのがある。
科研と略されるのだが、これが実際にどんなものか知っている人は少ない。 毎年応募して、採択されれば何年間か研究費がもらえる。 その使途はかなり細かく指定される。 人件費、備品、出張費、…。 どうやって審査するか。 このあたりはいい加減に見える。 実績のある組織、実績のある人、そういうのが効くようだ。 2年ほど前に調べ物をしていた時に、ある機関が科研費をとって、海外から何人も呼んで、大シンポジウムを行ったという記事が見つかった。 おお、これはちょうどよい…、とその報告書を探したが見つからない。 もう1年も前に行われているのだ。 なぜないのか…、オカシイ。 さっそく記載されている機関の電話番号を回して問い合わせた。 すると、それはWebのどこそこに出ているとのこと。 見ると、数行のコメントが書いてあるだけだった。 ある機関というのは、有名国立大学の付置機関である。 科研というのは、税金だ。 私企業が儲けた金でやっているのではない。 皆さんが稼いだオカネを使ってやっている。 ところが、やっている方にその自覚が全くない。 だから、1年も前の報告書が出ていない。 こんな事が許されるのか…、と不思議な気がした。 科研について詳しい人に聞くと、報告書を科研に出さなくてもよい、ということらしい。 どこかの学会誌に出してくれたらいい、ということになっている。 そのフォローはしない。 それが通常になっている。 なぜか?…それはフォローするのが大変なのと、それをフォローしたら科研の予算がはけないからだ。 平成21年の予算は1970億円。 採択数は5万件。1件当たり約250万円。それ以外に基盤研究とか、若手研究とかいろいろメニューがある。 それをいいことに、大シンポジウムが行われ、その成果は何も残っていないのだ。 独立行政法人日本学術振興会がやっている。 ホームページを見ると、こう書いてある。 科研費は、人文・社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる独創的・先駆的な「学術研究」(研究者の自由な発想に基づく研究)を対象とする「競争的資金」であり、科学技術・学術審議会科学研究費補助金審査会及び(独)日本学術振興会科学研究費委員会の審査を経て、その配分を決定するものです。 本当に成果がちゃんとあったかどうか、確認作業すらしない。 そんなことをしたら、手がかかって大変だからだ。 それでお金を払う。 確認をしないくらいだから、申請書類の審査もいい加減なものだろう。 これがバラマキでなくて何なのか…。 全部が全部とは言わないが、もうちょっとちゃんとやるべきだ。 |
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