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2009.08.13 Thursday
なぜ負けたのか
亡くなった父は、ぼくがまだ小さい頃、たまに戦争の話をした。
その中で、言っていたのは、いかに日本軍が作戦を軽視したかということだった。 作戦を軽視したというか、「精神論」を重視したとも言い換えられる。 成せばなるというやつだ。 補給ラインを無視した作戦、これは南方戦線のことだ。「現地調達」というやつ。 いちいち飯盒で食事をする、これは、コンバットというテレビドラマで缶詰の食料を食べる場面ではよく言っていた。日本軍はあんな合理的な食事は考えなかった…。 米軍はパイロットを大事にしたが、ゼロ戦にはパイロットを守る仕組みはなかった。飛行機は代替えが効くが、パイロットは養成に時間がかかる。 「精神論」対「合理性」の戦いだったのかもしれない。 その最たるものがオペレーションズ・リサーチと言われるもの。この話は何度も聞いた。 これをつかって、米軍はカミカゼの体当たりの成功率を下げることに成功した。 日本軍はカミカゼの成功率が下がっても、なぜかは考えなかった。 考えていたら、少しは結果は違ったかもしれない。 何度も同じ攻撃をしたのだ。 オペレーションズ・リサーチは科学だ。 何百という攻撃パターンを分析し、艦の走行パターンを工夫した。 日本軍にはそういうものに対する敬意がなかった。 だから、父はぼくに理系を勧めたのかもしれない。 科学を軽視するものは負ける。 「精神論」だけでは勝てない。 それが第二次大戦の教訓だった。 もちろん、それだけではないが…。 |
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