考えたこと2

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清水義範の作文教室
清水義範の作文教室 清水義範 早川書房

文字通り、作家の清水義範が小学生に作文を教えるという本。

この人は、教育大を出て、先生の免許を持っている。
東京在住だが、弟が名古屋で塾をやっており、そこの生徒に作文の添削する。
その生徒たちの文章の成長と、作者が「作文」に対する思いを綴った本。

小学生だが、みんな上手に書く。

読んでいて一つ感心したのは、学校でやる作文のどこがいけないか、という点。

読書感想文のことが書いてあった。

読書感想文というのは、作文のジャンルの中でも、難しいものだという。
それを小学生に書かせる、というのがマチガイ。

それよりも、自由に題から作らせて、書かせるべき、というのが作者の意見。

なるほど、この本に出ている小学生たちの作文を読んでいると、自由に書くということはすばらしいことだと思う。
どんどん上手になっていく。

作者の添削もすばらしいんだろうと思うが、最初はぎこちなかった子どもたちが、本の中盤ではのびのびと文章を書いているのがわかる。
家族のこと、友だちのこと、何かを観察したこと、シリーズものの小説…、面白い。

「何を書いてもいい。ただし、読み手に伝わるように書く」という方針が子どもたちを育てていくのがわかる。

最後の章で作者は言う。

「論理的思考力がちゃんとあるか、説明力、描写力はどうか、言葉は豊かか、ユーモアがあるか、そして正しい文章と文字が書けるか。それらすべてが、作文からはうかがえるのである。」

「ということは、作文をうまく指導することができれば、一見遠回りのようではあるが、国語の大変有効な教育になるわけである。私はそう思うのだ。」

ぼくらの小学生の頃は、週に1時間は作文の時間があった。
でも、それは今はない。
夏休みの読書感想文や遠足の感想文だけだ。

たしかに、たくさんの作文を読むのは大変だし、それを評価するのも大変だろう。

でも、母が取っておいてくれた小学校の頃の作品があるが、それには赤ペンで先生の感想が書いてあったり、いいところに線を引いてほめていてくれたりする。
その作文を見ると、ふだんは思い出さない先生の顔も浮かべることができる。
ありがたいなあ、と今でも思うのだ。

ぼくも清水義範に賛成。



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