![]() |
2006.07.19 Wednesday
本題に入る前に
言いにくい頼み事がある時は、事前に色々と考える。
どう言ったら、引き受けてくれるか…。 もっていき方によっては、断られるし、うまくすれば引き受けてもらえる…そんな状況はよくある。 まず、周辺のハナシから始めて、だんだんと本題に入っていくか、それとも、単刀直入に本題を言ってから周辺のハナシでフォローするか、作戦は相手によって変わる。 こういう時は、電話やメールではダメだ。直接会って話さないと。 事前に席が近い人に電話をして、機嫌が良さそうかどうか聞いたりするのも大事である。 機嫌が悪い時は、やめておくに限る。 したがって、ギリギリまで言わないのはよくない。 時間の余裕がないと、機嫌の良い時を狙う、というような芸当はできない。 ただ、こんなハナシは、せっぱ詰まって突然出てくることが多いのも事実だが…。 以前、イギリス人とそんな話をしていると、言われたことがある。 そういう時には、まず部屋に行って、関係ない話をいくつかする。 スポーツの話題とか、家族のこととか、趣味とか、共通のものがなければ、仕方ないので天気とか…。 絶対にいきなり本題のハナシをしてはいけない、とのこと。 いくつか関係ない話をして、相手との距離を詰めておいて、それから言うのが礼儀だそうだ。 これを守るのが、当たり前とのこと。 いかにもイギリス人らしい話だと思う。 どんなに忙しくても、ティータイムにお茶を飲んで、だべる。 今では日本でも、「お茶する」という動詞が生まれたが、これはお茶を飲みながら、おはなしするということであり、イギリスのティータイムみたいなものだと思う。 アメリカ人のように、コーヒーをバカでかいマグに入れて、午前中ちびちび飲みながら働くのではなく、時間を決めて、一斉に手を止めて、どこかに集まって紅茶を飲みながら話をする…。 そういう文化の中から、本題に入る前に、世間話をするという習慣が生まれたのだろう。 イギリスは、島国なのに、どうしてせせこましくないのだろうか。 いつもバタバタしている我々から見ると、余裕があるように思える。 本題に入る前に、世間話…これは見習うべき習慣だと思う。 この世間話の時に、笑いでも取れれば、交渉は半分成功したようなものだろう。 交渉ごとの時には、思い出してください。 |
![]() |