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2006.07.06 Thursday
デザイン
ギターは昔から、ボディの真ん中に丸い穴があるものだった。
ところが、学生時代に、テレビを見ていると、真ん中に穴があいていないギターが出てきた。 これにはビックリした。 ボディの上下に中くらいの穴と小さな穴がいくつか空いていて、穴の回りには木の葉のような模様がついている。 スゴイなあ、と思ってテレビを見ていた。 しばらくすると、ギターの雑誌にぼちぼち載るようになった。 アメリカのオベーションというメーカーのギターである。 オベーションはずっと普通の(真ん中に穴があるヤツ)ギターを作っていたのだが、普通でないのはボディの後ろ側だった。 もとはヘリコプターの会社で、木の代わりにグラファイトという軽量で丈夫な材質で作られている。 自由にカタチが決められるので、裏側が丸いのだ。 最新シリーズの解説のページはここです。 こんなギターです。時々見るでしょう? http://www.ovationguitars.com/index.cfm?fa=lxfeatures 以前から、このカタチのギターが欲しかった。 音とか、弾きやすさとか、そんな問題ではなく、デザインが好きだからだ。 どうやって、この中くらいの穴と小さな穴の位置を決めたのだろうか? どうやって、この穴に合った模様を決めたのだろうか? 人間は、対称性のあるものに美を感じやすいと思うが、この非対称さを伴った美しさはスゴイと思う。 (このタイプの左右対称のモデルもあるが、非対称の方がきれいだと思う) 少し前に、ようやくこのデザインのギターを買った。(ホンモノではないが…) 見ていて、ほれぼれする。 楽器である以上、音がよいことはもちろんであり、その基本性能があって、それからカタチや色などが決まるはずだ。 それでも、まず、このカタチとデザインありき、という気がするほど、きれいなカタチだと思う。 機能美というヤツだ。 このギターをデザインしたデザイナーはすごい。 本当にすごい人だと思う。 そんなにバカ売れするようなモノではないので、工業デザインの賞をもらうというようなことはなかったと思うが、僕はこのギターは20世紀の工業デザインの名作のひとつだと思っている。 |
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