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2006.06.29 Thursday
係り結び
季節はずれの話題になるが…。
最近は歌わなくなったみたいだが、僕らのころは、卒業というと「仰げば尊し」を歌った。 小学校でも、中学校でも、高校でも、歌った。 今の40代以上の人たちは、「仰げば尊し」の世代だと思う。 仰げば尊し 我が師の恩 教えの庭にも はや幾年 おもえば、いと疾(と)し、この歳月(としつき) 今こそわかれめ、いざ、さらば これが一番の歌詞。 意味を完全に知っている人は少ないと思う。 これは文語体だ。 「いと疾し」というのは、「すごく早い」という意味。 これは意味がわからなかった。 でもつい先日知ったのが驚くべき思い違い…。 今こそわかれめ、というのは、「今こそ分かれ目」だと思っていませんか? これは、間違い。 今こそわかれめ、は今、別れよう、という意味。 古文の係り結びというヤツです。 ……こそ……め、という関係で、わかれめ、というのは、わかれよう、の意。 こそ、に対応して、「わかれむ」が「わかれめ」に変化、とのこと。 http://www.mmjp.or.jp/MIYAJI/mts/nihonnnouta/aogebatootoshi.html それを理解して、この歌詞を見ると、最後の一行はすごくいさぎよい一節になる。 「分かれ目」ならセンチメンタルだが、「わかれめ」なら、きっぱりしている。 そうだったのか…と今ごろわかった。 できれば昔に戻って、中学くらいの時に意味がわかっていれば、もっと違う気持ちで歌えたかもしれない。 先生にとっては、当たり前だったので、教えなかったのか…。 少し残念だ。 |
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