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2022.08.28 Sunday
タイパ
コストパフォーマンスのことを「コスパ」という。
コスパがいい、というのは、その製品やサービスの価値が値段に対して高い、ということだ。 こないだ日経の記事で「タイパ」という言葉があった。 これはタイムパフォーマンスのことを表した新語?だ。 「コスパ」のように説明すると、その製品やサービスの価値が時間をいかに節約できるか、というようなことだろう。 コスパのうち、「時間」の性能に特化したということで、それだけ「時間を有効に使える」ことに価値を置いているということになる。 記事はアマゾンが掃除機ロボットの「ルンバ」の会社である、アイロボットを買収したり、日本の@コスメの筆頭株主になったことに対するもの。 「倍速消費という名の欲望」という電子版の記事だ。 7割近い世帯が夫婦共働きで、家事時間の短縮を求めるニーズが高まっている、とのこと。 いろんな企業が「タイパ」市場を目指している。 カレーを作る時間を半分にするフライパンでのカレー作りが増えていたり、調理家電では「自動調理」で時短ができる、というのが売れ筋らしい。 インスタントラーメンを0秒で食べるという、「0秒チキンラーメン」というのも人気だし、若い人たちは食のファスト志向で、「情報学者がストローでレトルトカレーを吸う」スタイルが話題になったりもしたとのこと。 こんなのは、全然知らなかった。 その志向はエンタメ分野にも広がっている。 マーケティング会社の調査によると、映画やドラマの倍速視聴をしたことがある人は20代で半分という。 ぼくにとって、倍速で見てもいい、と思えるような映画は義理で見るようなもの。 これは面白かったから、是非見てほしい、とか言われて、気が進まないながらも見るというようなシチュエーションだ。 実際に若い人たちがどんなふうに使っているのかはわからないが…。 でも、ぼくらの時代以上に「友だち」の価値は高いということだから、そういうニーズは上がっている。 人間関係を大事にするがあまり、見ろと勧められたら、気の進まないものは倍速で見る。 もしも若い人たちが、見たくもない映画やドラマを倍速で見ているとしたら、気の毒なことだ。 自分の好みでないから、途中で見るのをやめたと言えばいい。 でも、昨今はそれを言えないような「空気」もあるらしい。 そのあたりが、日本は物質的には豊かな国だと思うが、精神的には貧しいということなのかもしれない。 もっと若い人たちが豊かにならないと…。 |
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