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2018.12.19 Wednesday
国際看護学部?
うちの近所に大手前大学というのがある。
ずっと女子大だったが、2000年に男女共学になった。 3つのキャンパスを持ち、収容定員2757名だから、小規模の大学。 在校生が2470名なので、1割ほど定員割れをしている。 この規模で西宮、伊丹、大阪にキャンパスを運営して1割不足なら、まあ立派なものだと思う。 そこが新しい学部を作るという。 例によって、看護系だ。 看護系は人気があるということで、どんどん増えているのが実態。 こんなの、医療費削減とか、規則が変わるとどうなるかわからないのに、よくやるなあと思っていたが、ここもそれに手を出したということだ。 どれだけ増えているかというと、平成3年に11校だったものが、平成30年に263校になった。 入学定員で、558名が23667名になっている。なんと40倍以上。 従来の専門学校は減っているのだが、いくら看護師が足りなくなるといっても、増えすぎだ。 臨床心理士といい、看護師といい、大学がやり始めると馬鹿みたいに増える。 みんな右にならえでやるからだろう。 当然、質は落ちていく。 これからは多死社会だが、多死社会が終わると看護師は余るに決まっている。 その前の段階で医療費が足りなくなり、治療型の病院は減り、看護師は7床に一人という基準は緩和せざるを得なくなる。 そういう世の中の変化をあまり大学は考えない。 今志願者が増えることが大事なのだ。 だから、263校にもなった。 当然、今さら普通の看護学科を作っても遅いという議論になる。 何か特色のある看護にしないといけない、というワケでできたのが「国際看護学部」らしい。 もちろん日本初だ。 日本初というものにも2種類ある。 本当に日本で初めてであり、特筆に値するものが1つ。 もう一つは他に誰もやってなかったという日本初。 どうしてそういうものを作らないといけないのか、わからない、というものだ。 もちろん、「国際看護学部」は後者にあたる。 どうして、普通の看護学部にしないのだろうか。 見栄だけで、「国際」をつけるのは、もう時代遅れだと思う。 来年開学予定だが、旺文社の偏差値は50と出ている。 大学の関係者はそれでいいと思っているのだろうか。 困ったものだ…。 |
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