考えたこと2

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科目の目的化
学校法人に勤めた時、わからなかったことの一つが入試の科目。
全く聞いたことがない科目があった。
数学A,Bとか、現代文A,Bとか、日本史A,Bとか…。
ぼくは直接関係なかったから、わけわからんなあと思っていたが、今回高校の学習指導要領が改定されるにあたって、調べてみた。

OKWebというところに、科目の違いへの回答がある。
それによると、

「日本史B・世界史B・地理B→昔の日本史・世界史・地理に相当と考えてください。

地理・日本史・世界史のABは難易度で分かれています。
Aは近現代中心で、近世以前は内容が浅いです。
Bは全体的に詳しく学びます。
従いまして、大学受験にはBが必要ですが、例えば理系のように社会が浅くてもいい場合は2科目目をAにしたりするケースがあるわけです。現在は授業数が少ないのでこういったことが行われています。」

なるほど。
社会は難易度でA,Bが分かれているということか。
結局は入試でどこまで必要か、ということであって、要は理系を選択した生徒向けに近現代中心に覚えることを減らしたものを作ったということだ。
科目が入試対策のための目的と化している。
本来、歴史や地理は、「何を知っているべきか」で決めるのが、教育課程の考え方だろうが…。

「次に数学ですが、こちらは内容で6科目にわかれているので社会とは意味合いが少し異なります。

多少の整理はされましたが、大まかには
数学Iと数学A→昔の数学I・数学IIに相当
数学IIと数学B→昔の基礎解析・代数幾何に相当
数学IIIと数学C→昔の微分積分・確率統計に相当
と考えていただければと思います。

文系はIAIIB、理系はIAIIBIIICを学ぶのが標準です。

同様に理科の各科目も昔は1つでしたが
今はI(基本)。II(応用)にわかれています。」

と書いてある。
これは一部の高等学校では崩壊していると思う。
18歳で入学してきた学生の多くが「割合」や「分数」がわからない状況だ。

一方、大学のカリキュラムも「何ができるようになるか」を明確にしないといけなくなった。
実用的な科目ならいいのだが、そうでない科目には違和感がある。
何ができるようになるかは、学んだ人が決めるものだと思う。
中学や高校で学ぶのは教養に類するもので、何かのために学ぶものではないと思う。

そんな中、今回高校の国語も変更されている。

現在は、国語総合、国語表現、現代文A、現代文B、古典A、古典Bの6つ。
こちらも、A,Bの違いは、Aが教養講座的なもので、Bが大学受験を目指すものだったらしい。

改定後は、現代の国語、言語文化、論理国語、文学国語、国語表現、古典研究になる。
文科省は「高等学校において育成を目指す資質・能力を踏まえつつ、教科・科目の構成を改善」と言っている。

国語の先生は変わらない。
分け方を変えて、教科書を変えていじくり回す。
それで、力を入れている、ということになる。
こんなものは教育学者の遊びでしかないと思う。
国語は昔から国語だ。

結局教える方の力量が落ちたから、ジャンルを分けないといけなくなったんだろうと思う。
もちろん、小中でのレベルダウンもあるんだろうが…。

ということで、2020年から変わるのは止められないだろう。

いい加減に高等学校も、入試ばかりを追いかけて、科目をいじるのをやめるべきだと思う。

文学国語を選択しなかったら、文学のテキストを習わないなんて、オカシクないか。


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