考えたこと2

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BREXIT開始
イギリスがEU離脱の手紙を出した。
6ページにわたる手紙らしい。
今の時代に「手紙」というのは何ともヨーロッパらしい。

日経にはイギリスのファイナンシャル・タイムズの記事が出ていたが、「この離脱通知は悲劇の山場だ」と書いてあった。
イギリスにとって、一番大きな輸出国であるEUへの有利なアクセスを失うことや、EU協議の場から退場することになり、「その結果、英国は今より貧しくなり、国内の分断はさらに進み、影響力を失っていく」とも書かれている。
それがファイナンシャル・タイムズの立ち位置なんだろう。
名前の通り、ファイナンスの中心であるロンドンの金融街シティの見方でもある。

貿易の観点からも、政治的、安全保障の観点からも、イギリスはEUとは切っても切れない関係だ。
そこで孤立するのはぼくも常識的には不思議だと思う。
それでも国民投票で過半数を占めた。
だから、メイ首相は自分が残留派であったが、勇気ある離脱をしようとしている。
ファイナンシャル・タイムズの言葉を借りれば「他国に対して威嚇的なロシアと海外に無関心な米国、混迷を極める中東、台頭する中国、気候変動がもたらす世界的な脅威を前に、英国は自国が属する大陸の制度を整えるシステムから自国の発言権を失おうとしている。今は19世紀ではない。21世紀だ。孤立が素晴らしいわけはなく、孤立は本当に孤立することを意味する」としてもだ。

イギリスというのは交渉上手な国だ。
20世紀以降、だいたい勝ち馬にのっていると思う。
そのイギリスがなぜこんなことをしたんだろうか。
よほどロンドンの人々とそうではない人々の格差が大きかったんだろうか。

21世紀は格差の世紀になるかもしれない。
今まで格差がなかったというわけではない。
産業革命以降、人類が豊かになり、21世紀になって途上国も豊かになってきた。
豊かになるために、人の移動やモノの移動も自由になった。
それがグローバリズムということだ。

その副作用は想像以上に大きかった。
それが伝統的な産業や労働集約的な産業を直撃したのだろう。
その証拠に、もっとも自由貿易を推進していた2つの国が相次いで大きな変化を起こした。
イギリスのBREXITとアメリカのトランプ政権の誕生だ。
21世紀の初頭はきっと後世から「行き過ぎたグローバリズムの揺り返しの時代」とか言われるような気がする。

でも、ヨーロッパの人たちが何度も戦争を経験し、国という単位を統合する機関を作らないとダメだ、という結論に至ったのは正しいとも思う。

2年で交渉が終わるとは思えないが、終わらないといけない。
妥当なところで、合意をすることを期待したい。
どちらも痛みを伴うだろうが、20世紀の世界を導いたイギリスや欧州だから、叡智を持って交渉に望んでほしいと思う。

それにしても、メイ首相に比べると、日本の指導者は見劣りするなあ…。


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