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2014.10.09 Thursday
インフォームド・コンセント
いくら聞いてもよくわからない言葉がインフォームド・コンセント。
日本人には馴染みのない言葉だから、英語のまま定着させようとしているんだろう。 Wikipediaでは、「特に、医療行為(投薬・手術・検査など)や治験などの対象者(患者や被験者)が、治療や臨床試験・治験の内容についてよく説明を受け十分理解した上で(英:informed)、対象者が自らの自由意思に基づいて医療従事者と方針において合意する(英: consent)ことである(単なる「同意」だけでなく、説明を受けた上で治療を拒否することもインフォームド・コンセントに含まれる)。説明の内容としては、対象となる行為の名称・内容・期待されている結果のみではなく、代替治療、副作用や成功率、費用、予後までも含んだ正確な情報が与えられることが望まれている。また、患者・被験者側も納得するまで質問し、説明を求めなければならない。」という説明。 Wikipediaの説明が長いのは、日本人にはわかりにくいからだろう。 ひと言でいうと、「説明と同意」というように言われることもあるが、これは本当にわかりにくい。 海外ではどうなっているのかわからないが、ぼくは日本ではうまく運用されているとは思えない。 日本の風土に合わないのだろう。 今回勉強した中にもインフォームド・コンセントは出てきた。 この言葉の中には2つの権利と1つの義務がある、ということになっている。 1.患者またはその家族が、医療行為の性質や結果について十分な情報を得る権利(接近権) 2.医療行為を受けるかどうか自ら判断する権利(自己決定権) 3.それを可能にするための医師による十分な説明義務(還元義務) この2つの権利と1つの義務をちゃんと果たして、両者が合意することがインフォームド・コンセントということになる。 1つ目の十分な情報を知る権利だが、今はネット上にいろんな情報があふれているので、それを元にちゃんと調べてきて、聞くこともできるようになったから、だいぶマシになっただろう。 でも、書かれていることを理解でいるだけの知識があることが前提だ。 高校時代に生物を履修しない人も増えているので、何のことがわからない、という人も増えているだろう。 それに、技術は日進月歩のところもあるので、必ずしもネットで調べたことが正しいとは限らない。 もともと、ネット上の情報はそういうものなのだ。 情報の非対称性は絶対に埋まらない。 医者のほうが情報量が多い。 だからこそ、接近権がある。 そして、2つ目の自己決定である。 穿った見方をすれば、情報が非対称であるのに、情報が少ないほうが決めろ、というのはムチャだということもある。 しかし、自分のことだから、自分で決めないと仕方ないのだ。 医者が信用出来ないと思えば、医者を変えろということだろう。 でも、そんなことは普通の人には出来ない。 所詮、自己決定したでしょ、と何かあった時に医者が言うためのものではないか、と言われても仕方がない。 結局は医者と患者の間に信頼関係が築けているか、ということになる。 そして3つ目が専門職側の義務である。 これがはなはだ心もとない。 ぼくの経験だが、ひと通り説明を聞いて、わかりました、それで、先生の意見はどっちなんですか?と聞くとお茶を濁される。 こういう場合もあるし、ああいう場合もあるし、そういう場合もあるし…、などと言ってそれで終わりになる。 わかりません、とも言わない。 これがプロの態度なんだろうか。 自分の意見というものがないんだろうか。 どんな手術にしても、やってみないとわからないのは当たり前である。 それでも、画像診断や今までの経験や患者の状況から、これはこうしたほうがいいと思う、という意見を述べるのがプロではないか。 他の業界なら、まったく通用しないことが通用している(というか、させている)。 だいいち、失敗しても文句は言いません、という書類にサインをしているのだ。 何のためにサインするのだろうか。 そんなことなら、サインなど不要だ。 サインした時点で、医師は免責なのだと思う。 なんなら、これにサインをした時点で、何を言ってもムダですよ、と言った上で自分の意見を言えばいい。 こちらは全く経験もないし、わからないから個人的な意見を聞きたいのだ。 それで飯を食っているプロではないのか。 そんなことなら、インフォームド・コンセントなどやめてしまえばいいのだ。 単なる責任の押し付け合いではないか。 |
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