考えたこと2

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真夏の自己防衛
クールビズになって、冷房の温度が上がった。
今の事務所は冷房の設備も古く、もともと暑いので、あまり関係はないのだが…、とにかく暑い。
予算的に、とても冷房の能力を上げてもらうことはできない。

そうなると、いろいろと策が必要になる。
クーラーのパワーが絶対的に不足しているのはマチガイない。
そのために、壁に付いているクーラーの近くの人は寒いし、遠くの人は暑いという状態になっている。
おまけに、ぼくは一番遠くにいる。

とりあえず、電気屋さんに連絡して、何かいい方法はないか?と聞いたが、すでにいろいろとトライしたがダメだったとのこと。こうなると、自分たちで考えるしかない。

まず、冷房の吹き出し口に、通販で売っていた冷風を遠くまで届かせるという羽根をつけて、できるだけ冷風を遠くまで飛ばすようにした。
ひ弱な羽根だが、両面テープでクーラーの吹き出し口の下に2枚付けて、風を上に向けるようにする。
「気のせいか、少し涼しい…」という程度。
これだけではダメだ。

羽根ではまだまだ弱い。クーラーの吹き出し口がちょうどパーティションの柱の後ろになっているので、柱にサーキュレーター(空気を攪拌する扇風機みたいなもの)を取り付けた。
針金でパーティションの細い柱にくくりつけると、ちょうどよい位置になる。こころもち、上に向けて取り付ける。
スイッチを入れると、ブーンという音ともにファンが回りだした。
見ると、ぼくの後の壁に貼ってある書類が揺れている。

クーラーの風がようやく部屋の奥のぼくのところまで届くようになった。
吹き出し口の近くの人も、風が直接当たらなくなったという。
大幅な改善だ。

それでも、暑い時は暑い。
クールビスならぬ、クールグッズを探した。

一つめは、汗をかいた時に使う、ウェットティッシュみたいなやつ。
暑い時にこれをつかうと、ヒヤッとする。よくできているのだ。子供に教えてもらったのだが…。

もう一つは、携帯扇風機。
ボールペンの反対側がファンになっているヤツ。
回ると、ファンについている発光ダイオードが光って、カラーの模様が出るのだ。
これはいい。実際、暑い時に首筋や顔に当てると、少しマシになる。
光るのを見ているだけでも楽しい。

今考慮中なのが、「どこでもアイスノン」。
こないだ墓参りの時に、姪が使っていた。
暑い時に、ハンカチやタオルにスプレーすると、ミストがシャーベットになって冷たくなる。
それを首筋などに当てるとよい。
熱中症対策のスプレーだ。直接肌にスプレーすると、凍傷になるというくらい強力らしい。
これは一度試してみようかな…と思っている。

もう一つ、最後の手を考えてある。
ベランダに置いてある室外機に、水をかけるという手だ。
まだやっていないが、おそらくかなり冷房効率が上がると思う。
一度やってみるつもり…。
ただ、問題はベランダに出る時に窓を開けて、熱風が室内に入るということと、バケツに水を入れて事務所を横切るという事だが、大きなペットボトルで代用できるかな…と思っている。
うまくいったら、庭の植木用のホースみたいなのを引っぱってもいいか…。

いろいろとやってみると、何とかなるものだ。
暑さとの戦いである。

それにしても、ここ数日の猛暑はスゴイ。
昼間は外に出ていられない。

本当に、日本の都市部の夏は熱帯になった。

自己防衛するしかない。




| | 考えたこと | 21:46 | comments(0) | trackbacks(0) |
実験室
会社に入って最初の仕事が実験だった。

配属された時は驚いた。そんな部署に行くとは思っていなかったからだ。
高校の化学や生物の時間に実験をして以来、実験などしたことがなかったし、一体何をするんだろう…という感じだった。

配属後は、実験室と事務所を行ったり来たりする毎日になった。

内容にもよるが、実験室というのはたいがいアブナイところだ。
ぼくのいた実験室はかなり大がかりなもので、回転するドラムがあった。
もちろん、回転中に巻き込まれたりしたら、即死である。
ドラムに突起物をつけたりするのだが、それが外れて飛んだりしても、危険である。
だから、ドラムを回している時には、扉を閉めて、外から人が入れないようにしていた。
計測室の窓は厚みが1センチくらいあるもので、少々のことでは割れたりしないものだった。

それでも、実験中に回っているドラムのそばをウロウロしたり、今から思うとアブナイこともしていたなあ。

だから、実験室はきれいにしておかないといけない。
ぼくは整理が下手だ。机の上はきたないし、引き出しの中はあまり整頓されていない。ファイリングも上手ではない。
そんなぼくが管理していたのだから、テストするサンプルがあふれてしまったり、山積みになっていて、お世辞にもきれいとは言えない時もあった。
それでも、きれいにしておかなければいけないという気持ちは強くて、歴代の担当者の中でも、実験室をきれいに使っていた方だと思う。

毎週月曜日の朝は掃除から始まる。
ほうきで掃き掃除をして、モップでふき掃除をして、実験器具をちゃんと整理して、所定の位置に並べる。
毎週ちゃんとやっていると、そうしないと気が済まなくなるのだ。

実験で使うホース類は、ちゃんと巻き取ってきれいに置かないと気持ちが悪かったり、計測室の器具にほこりがかぶっていたら、雑巾で拭かないと気持ちが悪くなったりする。

外部からの見学が来る時には、朝から掃除をした。
いつもよりも、丁寧にやるのだ。

最初は、報告用のデーターを取るための実験だけだったが、何年かそこで過ごすと、開発のための実験をするようになる。
「こうなるハズ」とか、「このサンプルはこういう結果にならないといけない」とか、そういう思いで実験にのぞむ。

仕事自体は単純なものだが、そういう思いがあると、結果が出るまでの計測室での待ち時間など、心地よい緊張がでてくる。

実験前に立てた仮説があたる時もあれば、外れる時もあった。

「そんなはずはない」と、再測定をやったり、条件を変更してやってみたり…思い出すとなつかしい。

就業時間など関係がなくなる。
前にも書いたが、当時の計測器はアナログだったから、一連のテストはその日のうちにやらないと、精度が悪化するので、その日のうちにやらないといけないのだ。
5時、6時、7時…夜中までやったこともあった。

思い通りの結果が出ると、いくら残業しても事務所に戻る足取りが軽い。
そんな日はめったになかったが…。

実験室では、いろんなことを教わった。
測定器の使い方、掃除をすること、仮説を立てること、要領よく仕事すること…。

メーカーでは、設計が技術の中心にいて、実験はその外側にいる。
でも、実験というところは、製品を評価するという、ユーザーに一番近いところにいる。(開発のためだけの実験というものもあるが…)
会社の外側と内側の架け橋になるところだ。
実験室はユーザーとメーカーをつなぐ、大切なところだと今でも思っている。

同期の人たちが早々と帰る中、残業が多くてボヤキもしたが、そんな大事な仕事だと、エライ先輩たちに教えてもらった。

やりがいは、仕事自身の中にあるのではない。やる人の思いに、やりがいが出てくるのだろう。

実験室というのは、そんなことをぼくに教えてくれた場所だった。
今でも、どこかの見学で、「実験室」という言葉を聞くと、なつかしいと同時に、そこで働く人たちに親近感を覚える。

最初に働いた場所は、誰にとっても印象に残るところだと思うが、ぼくは実験室という場所で過ごせて、よかったと思う。




| | 考えたこと | 02:36 | comments(0) | trackbacks(0) |