考えたこと2

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戦中派
こないだ出張で長いこと新幹線に乗って、田辺聖子の「楽天少女通ります」を読んだ。

今の朝のドラマ「芋たこなんきん」の原案の一部になっている、著者の自叙伝だ。

本の中に大阪の空襲のことが書かれている。
たくさんの人が亡くなり、著者も大変な目にあいながら、学校から家まで歩いて帰った。
その途中のありさまが書かれている。
本当に悲惨な光景だったと思う。想像を絶するものだ。

一度だけウチの母に聞いたことがあるが、大阪と前後して行われた神戸の空襲のあと、路上の穴をよけながら歩いたことがある…とのことだった。穴はもちろん、爆弾が落ちた跡である。

僕らが生まれる少し前には、爆弾が降ったきた時期があったのだ。

母は戦中派だが、何度か、同じことを言うのを聞いた。

「ワタシらは、戦争をはさんで、世界が反対になってしもたから、何も信じられへん。」

たしかに、一夜にして、神さまだった人が人間を宣言し、神の治める国が、ミンシュシュギになった…と言われても、「どないせえ言うネン…」という事だったんだろう。

戦後の日本は、戦前を否定してやり直した。
そして、空前の高度成長を遂げた。
皮肉だったのは、その空前の高度成長を実現した指導者は、戦中派の人たちだったということだ。

大変な目にあった人は、人間が強くなるんだと思う。

もちろん、周りの環境も手助けしたのだろうが…。

田辺聖子の小説を読んで、もっと戦前を知らないといけないなあ…と思った。


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