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2026.03.30 Monday
言葉は文化
言葉は文化だと思う。
その国の言葉は、話し方や言語構造を通じて、文化をカタチにしている。 だから、日本語は、ネイティブスピーカーのアイデンティティでもある。 留学生の仕事をするようになって、日本語について考えるようになった。 ベトナムや韓国は昔漢字を使っていたが、それを捨ててアルファベットにしたり、自前の表音文字を作った。 でも、日本は漢字を捨てず、日本語の中に入れた。 最初は漢字は音だけを使っていた。 古事記は本居宣長が解読するまで、漢字だけで書かれていたのだ。 でも、それでは不便だったので、表音文字であるひらがな、カタカナを作った。 そうなっても、漢字を捨てず表意文字として日本語に組み入れたのだ。 漢字には音読みと訓読みがある。 音読みは中国由来の音、訓読みは日本の言葉を当てた読み方だ。 そういう歴史を積み重ねて、今の日本語がある。 表音文字だけで書くと長い文章も、漢字を使うと短くなる。 今の日本語に漢字は必要不可欠だ。 だから、日本は漢字圏の国と言っていい。 世界で漢字圏というと、中国、台湾、香港と日本だけ。 使い方は違うが、そういう文化なのだ。 それを、今の日本語検定試験の実施団体はわかっていない。 当初は漢字に重きをおいていたが、2010年に「漢字圏の国が有利になる」という理由で試験の内容を変えた。 文字と語彙は別々の単元だったが、それを一緒にして、前後の関係がわかれば、漢字の意味がわからなくても解けるような、パズルのような試験にしてしまった。 そのせいで、N1保持者でも簡単な感じが読めずに就職して苦労する。 実際、入社前に送られてきた参考書が全く読めないN1の学生もいる。 そういう教育で日本社会に放り出している、というのが現状だ。 こんな状態を15年も続けていていいはずがない。 日本は漢字圏なのだから、漢字圏の国(中国や台湾、香港)が有利になるのは当然だ。 それを公平という言葉を使って、読み書きがまともにできなくてもビザを下ろせるようにした、というのが実態。 こんな不誠実なことを政府が勝手にやっていいのかと思う。 日本人は読み書きを大事にしてきた。 だからこそ、世界最古の長編小説、源氏物語も書けた。 文盲率の低さが明治維新を成功させた言える。 漢字を学ぶことは、その国の文化や思考のプロセスに敬意を払うことと同義だ。 そういう文化を大切にしないといけない。 多文化共生などという言葉に騙されてはいけないぞ。 |
