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2022.01.30 Sunday
教師志望
新聞の折り込み広告にディースターというのがある。
これは大新社という会社が、求人広告を出すためにやっているメディア。 今朝の新聞にも入っていた。 びっくりしたのは、今度尼崎にオープンするAmazon尼崎(自走ロボットが荷物を持ってきてくれるらしい)の広告に混じって、伊丹市教育委員会の広告が入っている。 市内の公立小中特別支援学校の非常勤講師の求人だ。 よほど小学校、中学校、特別支援学校の教師が足りないのだろう。 もちろん、当該学校の教員免許を持っていることが条件。 小学校、中学校は毎年年度末になると、このような非常勤の講師で仕事を回している。 以前、大学で就職支援の仕事をしていた時、年度末が近づくとこの手の求人が来た。 教育委員会から人が来て、話をする。 人手が足りないから、四の五の言っていられない、という感じだ。 うちの大学は教育学部もないし、初等教育の免許は出していないので、対象は中学になりますと伝える。 一度は、中学の免許で小学校の非常勤をやってもらえたらということも言っていた。 そんな融通無礙なものなのか、と思ったものだ。 ぼくらが小さい頃は、学校の先生というのは特別だったと思う。 「えらい人」という感じ。 少なくとも、日曜日の新聞に求人が入るような仕事ではなかった。 当時は大学進学率も低く、大学の数も少なかった。 ある意味、選ばれた人たちが先生になっていた。 ところが大学進学率が2.5倍くらいになり、学校の数も倍増した。 倍増した大学にも、同じように教員免許課程を置くことも認めた。 罪なもので、大学の数が増えると大学卒業者の質も下がる。 それがどんどん下がり、教員免許取得者のレベルも下がった。 これは当然だ。 教職免許を取るだけなら、課程を修めたらOKだ。 実際に教員になるためには、採用試験に通らないといけない。 その採用試験の倍率は下がり続け、以前よりも教員になりやすくなった。 それが結果的に教員の質を下げた。 これは大学教員も同じことだ。 教育現場では呆れた学則やいじめ問題、いじめ隠蔽問題、モンスター保護者など、問題がどんどん増え、燃え尽きる教員も増えた。 近頃は教員のいじめも問題になり、待遇はいいのだが教員志望の人も減った。 さらに、教員の世界は閉じていて、一旦教員になると他の仕事はしにくいし、雇われにくい。 一旦社会人になってから、教員免許無しで教員になることはほぼできない。 この状態を打開するためには、社会人から教員になる道を開くべきだ。 それでなくても、閉じた世界だから非常識ないじめが起こったりするのだ。 ディースターに求人広告を出すよりも、そっちのほうがよほどマシ。 教育委員会は、その制度改革を提案しないといけない。 |
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