考えたこと2

2024.9.24から、今までhttp:で始まっていたリンクが、https:に変わります。申し訳ありませんが、リンクが見られないときは、httpsに変えてみてください。
CALENDAR
<< April 2025 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
+RECENT COMMENTS
+CATEGORIES
+ARCHIVES
+PROFILE
+OTHERS
大学の非常勤講師2
前にも書いたが、ぼくのいた学校の古い職員の人が「非常勤講師は大学の恥部」と言っていた。
たしかに、待遇はかなりひどい。
そして、それに多くの大学が頼っているのが実態だ。
文系の私学なら、半分以上が非常勤の授業になるらしい。

今回調べてわかったのだが、専門学校の講師料は、経験に応じて変わるという。
専門的なキャリアを積んだ人なら、大学の非常勤講師の4コマ分の給料が1コマで稼げる。
エライ違いである。

まあ普通の仕事なら、キャリアを積めば給料が上がるのは当然だろう。
それだけの経験知がつくし、スキルも上がるはず。
それがどんな内容であろうと、「1コマいくら」の世界なのだ。
よくえらい先生が「もっと国は大学に補助金を」と言っているが、それは第一に非常勤の給料を上げるために使うべきだろう。

大学の非常勤講師の相場は90分授業で月給25000円という。
ちょっと上がったり、下がったりするが、それは学校の事情であって、その学校では一律だ。
ぼくが去年やった時も、そんなものだった。

一方、専任教員は教授になると年収1000万クラス。
勤めていた大学で、総務の担当が「バカバカしくなるから知らないほうがいい」と言っていたのもわかる。
専任なら4コマ程度は持たされるから、非常勤講師の月給でいうと10万。つまり年収120万というところ。
もちろん、専任は各種保険も込みだから、実質の差はもっと大きい。

よくこんな給料でやっていけるなあと思ったら、非常に苦しいらしい。
2009年のデーターだが、非常勤の組合に入っている人の平均掛け持ち学校数は3.1校。
平均年齢は45.3歳で、年収306万。
そのうち44%が250万円未満で、100万台もかなりいるとのこと。
男性だとまず結婚できないし、ローンを組むのも断られるという。

ぼくは非常勤の仕事をするのに、給料や条件のことを聞いたが、普通はそういう勤務条件の質問もできないという。
これは昔の名残で、非常勤講師は下働きの「やらせて頂く」徒弟制度の仕事らしい。
しかし、ぼくが学校法人で勤め始めた2004年当時でも、非常勤から講師になるということはなかった。

中には専任の教員でも非常勤の仕事をしている人がいたが、あれは他学の教員と仲良くなって、共同研究や働き口を回してもらおう、ということだったのか…。

まあ、専任の教員は大学の雑務(当然の仕事なのだが、多くの教員は雑務と思っている)や教授会への出席もあったりするから、授業だけではないが、この差は大きいのではないかと思う。
専任教員の仕事をざっと推定すると、授業:研究活動:大学の雑務:学部の義務=4:4:1:1というところか。
教育と研究が教員の仕事の中心だから、こんなものかと思う。

授業だけでも年収1000万とすると、年に400万円。
月に4コマで年収400万だとすると、月収30万ちょっとになる勘定。
まあ、それくらいもらえば、非常勤でも食える。
なかには、学生アンケートで「ベストティーチャー」に選ばれるたりする人もいるのだから。

本来なら、それくらい払うべきなんだろう。
働き方改革で「同一労働同一賃金」というなら、今の給料は変えないといけない。
大学の「専門家」が大学の働き方改革についてあまりコメントしないのも、そのせいかもしれない。

しかし、そうなると、多くの大学で科目が減って、非常勤の仕事は減るだろうなあ。
授業料を上げる大学も出てくるだろう。

まあ、それで大学が淘汰されるのなら、いいことだと思う。
ただ、いつまで経っても、アカデミックルートに乗りたい人がたくさんいるから、なかなかそうはならないのだが…。


| | 考えたこと | 22:39 | comments(0) | trackbacks(0) |

コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://hdsnght1957kgkt.blog.bai.ne.jp/trackback/237748
トラックバック