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2018.10.13 Saturday
ピアーズ・ブロズナン
WOWOWの007のシリーズも中盤に入ってきた。
今週は90年代。 ボンドはピアーズ・ブロズナンが演じている。 この人も英国らしくてなかなかいい。 ベルリンの壁が崩れ、冷戦がようやく終わり、結果的にはソ連が崩壊して西側が勝つという格好。 ゴールデン・アイは1995年の作品。 ボンドとCIAの工作員の会話が面白い。 CIAは合言葉を求めるボンドを「古典的なスパイ」とバカにする。 冷戦に勝ったのはアメリカだ、という奢りを描いているのだろう。 相変わらず、英国スパイは古典的だ。 伝統を大事にするイギリスというところかな。 また、95年はコンピューターの年でもある。 IBMが協賛しており、大型コンピューターだけでなく、今でいうパソコンも登場する。 モデムを使って交信して、大型コンピューターを動かすシーンがある。 マウスなどはなく、文字ベースだ。 それでも、システムに入るパスワードなどが出てくる。 ハッキングのシーンだ。 この辺から、007の映画もそんなにレトロな感じはなくなる。 95年くらいから、現代に近づくのだろう。 そういえば、ボンドカーにBMWが出てくるのもこのあたりから。 アストン・マーチンも出てくるのだが‥。 イギリスの自動車産業の斜陽も始まった。 おまけにソ連が具体的な敵国ではなくなってくる。 ソ連は絡むものの、敵は裏切ったMI6のスパイ。 身内だった。 この次の作品がトゥモロー・ネバー・ダイ。 同じくピアーズ・ブロスナン。 これが1997年。 このあたりで、ほとんど現代になる。 悪役は大金持ちのメディア王で、中国の女スパイがパートナー。 そうそう、この頃から持ち物にガラケーが出てくる。 秘密の武器の一つがガラケーだ。 どちらかというと、世界の緊張が薄れて、いい時代だったんだと思う。 この頃はリアルタイムでかなり忙しくて、映画など見る余裕はなかった。 実質的にはバブルは崩壊していたが、まだまだ世の中は浮かれていた。 でも、ぼくら製造業のサラリーマンは蚊帳の外だったなあ。 金融はボロ儲けだったはず。 若い人たち向けに、007でたどる現代史というのをやっても面白いだろう。 戦後の東西緊張の時代から、デタント、ベルリンの壁崩壊、ソ連の崩壊、そして現代という流れがわかる。 1990年代は、冷戦は終わったが、まだスパイという仕事がカッコよかったころ。 とにかく、時間に追われて、忙しい時代だった。 今になると妙に懐かしい。 |
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