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2016.03.20 Sunday
感情の支配
行動経済学では、人間が感情に支配されると考えている。
便器型の水飲み器を作っても、なかなか誰も使わない。 頭ではそれがキレイだとわかっていても、それは使えない。 脳がいつもオシッコをしているところだ、という感情を持つ。 そして、感情は行動を支配することができるからだ。 進化の観点からいうと、感情とは何も考えないことだという。 ジャングルでライオンに会ったら、何も考えずにとっさに逃げないといけない。 それが感情の役割。 考えるということをショートカットして、いきなり行動を起こすためのもの。 そんなふうに感情というものをとらえたことがなかった。 また、感情は回りの環境によって引き起こされるものでもあるし、そんなに長続きしないものでもある。 9.11の後、自動車事故が増えた。 人々が飛行機に乗らなくなったからだ。 事故で死ぬリスクは飛行機に乗るほうが低いのだが、9.11の恐怖の感情が自動車を使わせる。 ここでも感情が行動を支配する。 でも、そんなに長続きしない。 その後、しばらくして飛行機の利用は元のレベルに戻る。 なるほどなあ、と思う。 人々がジャングルで危険に取り囲まれていない現代、もう感情は進化の観点からは不要になっている、というのが教授の考え方。(もちろん、全く不要というのではない) 感情に支配されるのではなく、ちゃんと考えて行動しないとイケナイ。 99%と100%の違いというのもやっていた。 子供がたくさん泳いでいるプールは、99%の確率で子供がオシッコをしている。 そういうもんだろう、と思っているが、だからといってプールに入らないということはない。 しかし、プールサイドから一人の子供がプールにオシッコをしたらどうなるだろうか、という。 それを見たら、プールには入れない。 これが99%と100%の違いだという。 自分で思い浮かべてみても、見てしまったら入らないだろうなあ、と思う。 きっと誰かがオシッコをしているだろう、と思って入るのと、それを実際に見てしまうのは違うということだ。 感情の力は恐ろしい。 感情に流される前に、じっくり考えないといけないなあ。 |
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