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2012.05.07 Monday
オトナになること
オトナになることは難しくなった。
もちろん、ぼくらの時代に比べての話である。 世の中が複雑になったということが原因だろう。 高校を、大学を出たら働くのが当たり前、という時代は、それなりに悩みはしたが、とにかくみんな就職した。 中学を出て働く人が金の卵と言われた時代。 いやも応もなかった。 それが当たり前だった。 そして働く場所があった。 外国人との競争もなく、右肩上がりの経済のなかで、とにかく働く場所があった。 働いているうちに、オトナになった。 今はそういう時代ではない。 国内の事業が人口減やエネルギー不足、高い税率などを嫌って、海外に出て行く。 IT化で少ない人数でもやっていけるようになったので、コンピューターでできるような仕事は人間は要らない。 アジアの市場に出て行くために、アジア人も雇う。 どんどん働く場所が減っていく。 そういう時代だ。 だから、今の若い人は気の毒だと思う。 オトナになる時間がない。 働く場所が減って、オトナになれない人が増えた。 そして、運よく職があっても、そこで即戦力として働かなくてはならない。 期待は大きいのだ。 そんな状態で、離職率が上がっているらしい。 オトナになる時間がないのに加えて、さらにオトナになれない。 おまけに、個性は大事だから伸ばせなどという時代。 だから、型にはまるのをいやがる。 20歳そこそこで、個性などあるわけがない。 養老先生が言っていたが、とにかく型にはめようとして何年も過ごし、それでも型にはまらないものが個性だろう。 数年で、自分の型にはまらないから、と言ってやめるのは間違っているのだが、幼い時からそういうふうに教えられてきたのだから、仕方がない。 いったい誰が責任を取るのだろうか。 オトナになれない人たちが増えている。 それは、今のオトナのせいだろう。 |
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