考えたこと2

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忘れられない一冊
なくなった父は昭和ヒトケタで、あの世代は活字信仰が強い世代だったと思う。

本棚に新書を並べる(もちろん、読むのだが)のが好きだった。
多くは人文系の本で、今思えばビジネス関係の本も多かった。
残念ながら、ぼくはあまり読まなかったが…。

でも、その中の一冊で、中学の時に本棚から勝手に借りて読んだ本がある。
もう実家にはないだろうが…、物置にあるのかな。

「物理学的人生論」という題名の新書。

ぼくはアトムの世代だから、科学に憧れがあって、題名にひかれて何となく手にとって読んだ。
父がなぜそんな本を買ったのかはわからない。
あまりそういうジャンルには手を出してなかったような気がするのだが…、ひょっとしたら当時流行った本なのかもしれない。

人間というのは煎じ詰めると、物理的・化学的反応で成り立っている。
いろんなことを考えたりするのも、所詮は脳の中の細胞での反応に行きつく。
心も、気持ちも、結局は分子のやり取りから出てくるエネルギーによるものだ。
一方で、その世界を構成している分子はなぜ存在しているのか…

そんなことが書いてあったと思う。
すごく新鮮で、感激した。

今日思い出して調べてみたら、著者は猪木正文という人。1965年の出版。
もう新品は手に入らない。

この人は相対論や素粒子、物理学の本もあって、立派な物理学者だったようだ。

50代半ばで亡くなっている。
他界する2年前にこの本を出した。
物理学とは、この世の成り立ちを解明する学問だと思うが、最後は「では、この世はなんで存在するのだろう?」というところに行きつかざるを得ないのだと思う。
もちろん、それを「物理学」として扱うことはない。
そこから先は答えのない問いを考えるしかない。
そんなところから、きっとこの本を書かれたのだと思う。

そんなことを考えていたら、三十数年を経て、もう一度読んでみたくなった。

猪木先生にもう一度会う。

自分がわかったと思ってたことなど、きっとほんの少しなのだろう。

そんなことを確かめてみたくなった。

昔お世話になった先生に同窓会で会うような、そんな気がする。



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