考えたこと2

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半ドン
1979年から会社勤めをしたが、その頃はまだ完全に土曜日が休みになっていなかった。
時々、土曜日の出勤という日があった。これは半ドンだった。

「半ドン」わかりますよね?
土曜が休みになって、若い人には半ドンという言葉も死語になってしまった。
昔は、お昼に大砲の音が「ドン」と鳴って、それで帰ったから、「半ドン」という言葉ができた…と何かで読んだことがある。
「半日でドン」ということだ。

それから少しして、土曜の出勤の日が減ったが、その代わり半日ではなくフルの出勤になって、半ドンはなくなってしまった。
その後80年代の前半には完全に土曜日は休みになったと思う。
日本全体では、90年代の前半くらいには、かなりのところで土曜日は休みになった。
国を挙げて、休日を増やそうとしていたのだ。

土曜日の出勤…なつかしい。(もちろん、休みの方がいいのだが。)
半日で帰れるというのは、それなりの楽しみだった。
結局は、夕方まで働いたりするのだが、それでも昼になったら帰れるという解放感があった。
何となく、昼をまわって、いつもと違うのんびりした雰囲気の中で羽を伸ばして仕事ができる…という感じだ。いつもと同じ事務所なのに、何となく時間が止まったような、ゆったりした気分になれる。
まばらにしか人はいないし、電話はあまりかかってこないし、納期にさえ追いかけられていなければ、先のことを考えてやっておこう、というような仕事ができたのだ。

事務所も、まだパソコンなどなく、グラフ用紙に向かって、定規、コンパスで格闘していた。
コピーは現像液の臭いがする青焼きだったし、そのために、報告書は薄手の用紙だった。
ゼロックスは贅沢品で、コピー室にしかなかった…と思う。
そこここに製図板があって、T定規や消し板、R定規、砂消しゴムなどの小物があった。
今ならコンピューターで製図するが、当時はまだ紙と鉛筆の時代だった。
ファックスも無かったし、全ては郵便で運んでいた。

そう思うと、半ドンの時代から二十数年…世の中は変わったなあ。

「半ドン」という言葉に、なんとなくのんびりした響きを感じるのは、実際のんびりした世の中だったからだろうか。

昔のことを思い出すと、今はたしかに便利になったとは思うのだが、何でも合理化され、「待ち時間」がなくなったというか…。

あの、半ドンの土曜日の午後のような、そんな時間がなつかしい。

そんな時間があって、日本は高度成長していたのだから、半ドンの効用があったのかもしれない。
結果的には、土曜日が休みになって、バブルへと突入していったのだ。

半ドンの午後に、事務所でのんびりと仲間と話をしていたら、防げたとは思わないが…。



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