考えたこと2

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新品を買った方が…
バブルが崩壊して、デフレと言われた時期があった。
今もそうなのか…。

デフレだから、オカネの価値が上がって、モノの値段が下がった。
たしかに、100円ショップで何でも買えるし、特に家電製品やパソコンなど、すごく安くなった。

10年ちょっと前から聞くようになった言葉がある。
何かが壊れて、修理に持っていたら、「新品を買った方が安い…」、これだ。

ある時期から、特に家電製品がよく壊れるようになった。

昭和30年〜40年代のソニーのトランジスタラジオなど、10年経っても壊れなかった。
テレビのがちゃがちゃ回すチャンネル(といっても、わからない人もいるだろうが)は、壊れたが、部品をかえれば直った。

たいがいのものは、修理して使ったのだ。

最近では、ラジカセの音が出なくなる、ビデオの画面が出なくなる、プリンタで印刷できなくなる…いろいろと壊れるが、修理に持っていくと、まずはざっと見積もってくれて、「新品を買った方が安い…」という話になる事が多い。

どうも、おかしいと思う。

新品を買った方が安いということは、モノの値段に対する人件費が下がったことが大きな原因だろう。
修理という仕事には、壊れている箇所を探す、という作業が必須であり、それにはノウハウが必要だ。だから、機械的にはできない。ある程度の経験を積んだ人がやらないと、壊れているところがわからない。
そして、部品を交換する事が必要だ。
これも、壊れた部品だけを変えるとなると、かなり熟練された人がいるだろう。

だから、モノの修理代は人件費で決まる。

新品を買った方が安い、ということは、新品は人件費が安いということになる。

家電製品がよく壊れるようになったのは、日本の家電メーカーが海外工場から輸入を始めてからではなかったか…。

だから、値段が安くなったし、壊れやすくなったと思う。(別に海外工場に偏見を持っているわけではない。自分の経験からそう言えるという事だ。)

以前、ビデオデッキが壊れたときに、ヘッドの交換で2万円ほどかかるといわれた。
新品のデッキは、安いのが1万円台である。
実際にそうなのだから、仕方がない。

もちろん、設計技術や材料技術が上がって、安く作れるようになった、という要因もあるだろう。

しかし、人件費が安くなったことの方が大きいと思う。
何となく、しっくりこない。

今や、日本の工場で作っています、ということが宣伝になる時代になった。
僕は、少し高くてもいいから、日本でたくさんのモノを作った方がいいと思う。
それらは、壊れにくくて信頼性が高く、壊れても、新品より安い値段で修理ができ、いつまでも使えるものであってほしい。

そういうモノづくりができて、そんな会社が利益を得られればいいと思う。


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