考えたこと2

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駆け込み合格の弊害
18歳人口が減少しつつあり、文科省による大規模大学の定員の締め付けが厳しくなって、この春異変が起こっているらしい。
4月になって、落ちた大学から「追加合格」の通知が来るということだ。
大学が、なりふり構わぬ入学者数確保に走っている。

元々上位校以外は推薦やAOで入学者を半分くらいは確保しており、一般入試を受けて入学する人の数は少ない。
それでも、収容定員8000人以上の大規模校は、定員の管理が強化されたから(10年前の1.4倍から今年は1.1倍に下げられた)ので、入学者定員2000人のところは、2200人までということになる。
それ以上入ったら、補助金がカットされるのだ。

是が非でも文科省の補助金がほしい大学は、3月末時点での入学予定者を1.1倍にしておいて、入学式に来なかった辞退者を追加合格にした、というワケだ。
そのため、追加合格者が増えた。

何でも上智大は3月に600人以上の追加合格を出して学生数を確保したとのこと。
裏を返せば、専願でない合格者が600人も辞退したということだ。
夏、秋に入試をやった推薦、AOの人たちの分も入っているのだろう。
上智大の学年定員は2801名だから、2割以上が辞退したことになる。

上智といえば、早慶上智と言われていて、関東の私大では最高ランクの大学だ。
そこでそういう状態なのだから、それ以下は推して知るべしというところ。
入試課は大変だろうと思う。

追加合格は嬉しい知らせだが、これが4月に入ってしまうとややこしい。
日経によると、「進学先と住む場所を決めて引っ越しする前日になって「第1志望の大学に追加合格した。どうしよう」などと戸惑うつぶやきもあった」とのこと。
遅くなったから、諦めるケースもあると思う。
金がかかって、大変だろう。

2020年には文科省の指導で、3月中に追加合格を出さないといけなくなる。
そうなると、定員を割る大学が増えるだろう。

これから更に18歳人口が減る。
いい加減に文科省も、大学を減らす方向に舵を切らないと、被害者が増えるだけだ。

本当に行きたい大学は、辞退者がそんなに多くはならない。
でも、受験機会が多いから、滑り止めで受ける学校が増えるのだろう。
合格者を増やしたいから受験機会を増やす、受験機会が増えるから受ける学校も増える、受ける学校が増えるから合格数が増える、合格数が増えるから辞退が増えるのだ。

大学のなりふり構わぬ定員確保がこういう事態を招く。

本来なら、定員確保よりも合格者のレベルを維持することが大事なはずだ。
そうでないと、カリキュラムが成立しない。
法科大学院などはその最たるものだ。
なりふり構わず定員を満たしたから、下位校では司法試験に合格する人がほとんどいなくなった。
今の薬学部も同じこと。
下位の大学で、定員を満たしして合格させると、卒業して薬剤師になる比率は軽く半分を切る。
つまり、なりふり構わず定員を満たすという行為は、大学教育を成り立たなくさせる、ということなのだ。

そういう事を今の多くの大学がやっている。

それでいいのか。

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