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2022.05.22 Sunday
いい子症候群
昨日書いた「面接の極意」の補足。
面接練習で時々違和感を感じることがある。 それは自分をよく見せようという意識が原因になっていることが多い。 面接の目的は、その人を知ることだ。 特に初期の面接では、人柄を見極め、一緒に働く仲間としてふさわしいか、というところが見られる。 最近は企業が「求める人材像」というのを発表していたりして、それに合わせようとする人もいる。 そこに「リーダーシップ」などと書いてあると、無理やりリーダーのエピソードを話したりするのだ。 エントリーシートの質問に「周りを巻き込んで達成した経験を書いてください」などと書いてあると、余計にリーダーを意識する。 いかにも「こんな風にして、みんなを引っ張ってきました」というようなエピソードになる。 そういうときには、そのリーダーにどうやって選ばれたのか?と聞く。 たいがい、誰もなり手がいなかったので…とか、先輩に推薦されて…とかいう答えだ。 重ねて、じゃああなたは普段はどういうタイプなのか?と聞くと、「周りで支えるタイプ」とかいう答えになる。 ここで初めてああこういう人なのか、ということがわかる。 それなら、自分はそんなにみんなを引っ張っていくタイプではないが、誰もなり手がなかったから、自分がやってもいいと思って…、と言ったほうがいいよ、と話している。 え、それでも、企業はリーダーシップを持った人を求めていると書いてありました、という返事が返ってくることも多い。 そういう時は、社員が全員がリーダーシップを持って引っ張っていこうとする人ばかりだったら、組織は成り立たない、と話す。 ダイバシティという言葉があるが、そういう多様性を一方では求めているのだから、そんなに無理に企業に合わす必要もないし、そんなことをしていたらしんどいのではないか?と伝えるのだ。 そう言うと、ちょっと安心した顔をすることが多い。 素を見せたほうがいい、ということだ。 素をわかってもらった上で、合わないとなれば、ご縁がなかったことになっても構わないだろう。 逆に、企業に合わせて自分を作って、内定してしまったらあとがしんどい。 ところが、この「素」というのがなかなか出ない。 面接練習ではなく、エントリーシートの相談などではわりと素で話をするのだが、それでも学生が就活モードに入っていると、相談自体が素にならない。 こういう時に、素を出せる人は強い。 内定も出やすいのだと思う。 自分に自信があれば「素」は出るのだろう。 自信のバロメーターだと思うと、なんとなく納得がいくのだが…。 |
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