考えたこと2

2024.9.24から、今までhttp:で始まっていたリンクが、https:に変わります。申し訳ありませんが、リンクが見られないときは、httpsに変えてみてください。
CALENDAR
<< April 2022 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
+SELECTED ENTRIES
+RECENT COMMENTS
+CATEGORIES
+ARCHIVES
+PROFILE
+OTHERS
手塚治虫と池波正太郎
ぼくが初めて見たアニメは「鉄腕アトム」。
手塚治虫の作品だ。
日本のアニメはここから始まった。

アトムは天馬博士が息子を亡くして、息子の代わりに作ったロボット。
あの当時のアニメは今と比べると全く稚拙なものだったが、手塚の思想がちゃんと入っていたと思う。
それを一度書いたhttp://hdsnght1957kgkt.blog.bai.ne.jp/?eid=234225。

鉄腕アトムには葛藤があった。
ロボットはロボットと殺し合いをするが、それは正義なのかというようなものだ。
物事は相対的に見ないといけない。
片方の正義は、もう片方の悪かもしれない、ということだ。

でも、息子たちが見ていた戦隊モノはそうではなかった。
悪者は徹底して悪だ。
滅ぼすことが絶対善なのだ。

一度子どもに、悪者の方から見たら、逆に見えるのではないかと言ったが、そんなことはない悪いやつはやっつけなければいけない、という返事だった。
水戸黄門のように勧善懲悪の思想だ。

それはそれで良いのだと思うが、やはり世の中は一筋縄ではいかない。
いい人だったと思った人が、悪いことをしたりする。
そういう自分も、いい事ばかりしているわけではない。
そういう関係で世の中は成り立っているのだ。

それは池波正太郎の作品にも通じる。
人はいいこともすれば、悪いこともする、という哲学。

桃太郎侍や水戸黄門、大岡越前などと違って、鬼平犯科帳の隠れた主人公は盗人たち。
改心して、長谷川平蔵の密偵となって活躍する。
そこがこの作品の魅力。

手塚も池波も1920年代の生まれで、第二次大戦を体験している。
その影響もあるのだろう。
どちらの作品にも共通のものを感じる。

戦争を挟んで、180度世の中が変わった。
昨日まで正しかったものが、間違いになった。
そういう体験をしたからかもしれない。

人間のやることなど、そんなものなのかもしれない。

手塚も、池波もそう考えていたのだと思う。


| hdsnght1957kgkt | 考えたこと | 23:12 | - | - |