考えたこと2

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予算のこと
ぼくは民間企業にいて、20年間、予算の管理ということをほとんど意識しないでやっていた。

恵まれていたのだと思う。
実験をするにも、設計をするにも、試作をするにも、当然お金がかかる。
それを意識しないでやれたのは、回りで支えてくれた管理部門があったからだろう。

しかし、2000年に部署を異動してその環境はガラッと変わった。
技術部の中の管理部門に変わったのである。
当然ながら、予算に対してシビアなところだ。
何か新しいことをしたい、というと予算が必要になる。
とにかく、起案を上げて、承認を得ないといけない。
その額が大きくなったら、それなりの会議体でプレゼンして認めてもらうことが必要だ。
アタリマエのことだが、不覚にもその時までそういう経験をしないままお金を使ってきた。
そのしっぺ返しが来たのだ。

どうしてもやりたいことがあったので(個人的にというよりも、やっておかないと仕事が回らなくなるからだ)、プロジェクトを作って何度か打ち合わせをして、起案を上げることにした。
この時初めて管理部門のしんどさを知った。

「今やっておかないと後で困る」ということをみんなわかっていない。
でも、そんなことはわかっている人にとっては、当たり前のことだ。
だから、どうしてみんなわからないのか、ということになる。
何度も会議をやって、「何でこんな説明をしないといけないのか」とか、「これがわからないなら、もうやめや」というような会話をした。
チーム員に「まあまあ」と抑えられながら、毎回ちょっとだけ前に進んだ。

やる意味、に加えて数値的な説明もしないといけない。
投資額に対して、効果が及ぶ範囲とそこでのコスト削減はいかほどか、それが果たしてペイするのか、という計算になる。
これがまたややこしい。
時給いくらの人が何人関わっていて、その人達が要らなくなる(他の仕事に回せる)という効果の算出だ。
ぼくがやっていたのは、工場も関連会社も関わる全社的なものだったので、計算が面倒くさい。
ただ、投資額もそれなりに大きかったので、計算を積み上げないといけない。

だいたい、情報投資というのは自部門よりも下流の部署での効率化が大きいのだと思う。
しかし、効率化を図ろうとすると、仕事のやり方を変えないといけない。
一方、仕事には慣性力があって、今のやり方を変える、というだけで抵抗がある。
進んでいる方向を変えるにはエネルギーが必要なのだ。
そこで、工場で必要な機材も今回の起案に入れますから、などという手段を使わないといけなくなる。
俗にいうWin-Winの関係というやつだ。

このあたりの交渉はややこしく、とても疲れる。
しまいに、いったい誰のためにやっているのか、などと思い始める。

そんな苦労をして、重役の前でプレゼンし、起案を通してもらって、予算がやっと降りる、というプロセスになる。

何が言いたかったかというと、予算を取るのは大変である、という簡単なことだ。

ぼくは管理部門で予算取りの仕事をして、本当に良かったと思う。

この経験が転職をして役に立つことになる。
それはまた今度。



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