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2007.09.28 Friday
水中モーター
何度かプラモデルについて書いているが、最近はホントに見なくなった。
小学校の頃は、おもちゃ売り場といえばプラモデルだったし、こづかいをもらったら、真っ先にプラモデル屋に走っていた。 今ほど精度も良くなかったので、部品についているバリをきれいにとって、接着剤でひっつけていた。 部品は各々プラスチックのハシゴ状のものにひっついていて、それをきれいに外さないといけない。 部品外しのためには、爪切りが必需品だった。 爪切りでパチンと外した部品をヤスリ部分でこすって、きれいにして、ひっつける。 当時、潜水艦や船の模型が多かった。 イ号潜水艦やUボートといった、第二次大戦中のものや、サブマリン707(だったと思う)というようなマンガの模型もあった。 簡単なものは、ゴムを巻いて、それが戻ろうとする力でスクリューを回して進むのだが、ぼくらが小学生の時に、画期的な新製品が出た。 マブチの水中モーターである。 マブチといっても、今の若い人にはわからないかもしれない。 昔はプラモデルを動かすためのモーターを作っていた会社だが、今やDVDプレーヤーや自動車の中の小型モーター、デジカメ、コピー機、歯ブラシなどの中に組み込まれる小型モーターの大会社になっている。 ホームページで会社の沿革を見ると…載っていた! 1967(昭和42)年3月 模型、玩具の新しい動力として水中モーターを発売する。 そうそう、それである。 単三電池を一つ、キャップの中に入れて、閉める。その電力で直づけのモーターを動かしてスクリューを回すのだ。 水中モーターには吸盤が付いていて、それをプラモデル本体につけるだけで、水の中を走ることができる。 プラモデルはボディがあればよい。 極論すれば、樹脂製の洗面器の底に水中モーターをつければ、それが動くのである。 出た時は、すごいなあ、と感心した。 いくつか、水中モーターをつけれるモデルを作ったと思う。 狭い風呂の中、近所の川などで浮かべたことを覚えている。 何が悪かったのだろうか…。 しばらくしてなくなった。 一つは、水中モーターを使って遊ぶような場所がなくなっていったこと。 もう一つは、やっぱり防水等のために重くなったことではないか。 何かのひょうしに沈んでしまうと、もう終わりだった。 それでも、ぼくが10歳の時に発売された水中モーターは忘れられない。 ネーミングもすばらしい。 「水中モーター」そのままである。 あのマブチモーターが、今やすごい企業になっているのは、隔世の感がある。 でも、そのホームページに、水中モーターのことが書いてあるということは、子供の夢を育ててきた会社という思いがあるに違いない。 水中モーター、覚えていませんか? |
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