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2012.07.05 Thursday
世間知らず
昔から、大学生は世間を知らないもの、というのが相場だった。
下宿などしていると、新聞も読まず、ニュースも見ず、世の中で起こっていることには疎くなる。 それで何の支障もなかった。 しかし、今は違う。 就活があるから、新聞を読んだ方がいい、という。 昔よりも、ずっと情報の入手はしやすくなっているのに、経済のことや会社のこと、世の中に関する知識は減っていると思う。 三井住友や東京三菱UFJなどのメガバンクに勤めている人は、公務員だという。 なぜか、と聞いたら、大きな会社の社員は公務員だと思っている。 メールといえば携帯だから、宛名は本文には書かない。 いきなり用件から始まる。 封筒の宛名などはちゃんと書けなくても当たり前。 ハガキすら怪しい。 A4サイズの封筒の右上に住所、名前、郵便番号が全部小さく書いてある。 若者には若者の文化がある。 だから、もう封書やハガキは使われなくなるのだろう。 しかし、まだまだ流通している。 見る機会もあるはずだ。 第一、ダイレクトメールで自分宛に送られてくるはずだが…。 だから、昔と比べて、世間知らずのレベルが違っている。 そして、自分が世間知らずだ、ということを教えられていない。 メタ認知がない、というやつだ。 昔は自分が世間知らずであることをわかっていたが、今はそれをわかっていない。 これはエラい事だと思う。 どこから来るのかわからない自信。 自信を持つことは大事だが、その根拠がない。 以前、何かに載っていた4コママンガを思い出す。 「俺はやるぜ」 「何を?」 「何かを」 このフレーズはわけもなく自信がある人を表していて、面白い。 マンガでは、「何かを」と言っている人はサングラスをしていて、タバコをくわえている。 いかにも自信満々、という感じだ。 この「いわれなき自信」が生まれてくる背景は何だろうか。 自己肥大化とでもいうべき現象が起こっている。 「世界に一つだけの花」が関係しているのではないか。 ぼくはそう思う。 |
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