GXというのはグリーントランスフォーメーションの略。
もちろん、日本語で海外では通じない。
政府は、2050年にCO2の排出をゼロにすると公約した。
熱心な欧州に引っ張られ、脱炭素を成長戦略として産業競争力を高めたいらしい。
エネルギーを効率的に利用するということは、ぼくらが就職した石油ショックの頃に進んだ。
そのおかげで、日本は省エネ先進国になって、自動車の低燃費の技術も進んだ。
日本の
石炭火力発電は、石炭を使いながらも排ガスがきれいになっている。
中国はこれからまだまだ石炭火力を使おうとしているが、他国のことはお構いなしに日本は「GX」らしい。
まともな鉄も作れない国になってしまった。
こんなことで、経済安全保障ができると思っているのだろうか。
省エネは利益を生んだが、「GX(脱炭素)」は利益を生まない。
世界中で、その産業に参加している全員が、脱炭素を目標に動くのなら競争状態になるが、現状で脱炭素を目指さないところがあれば、結局そこがコストで勝ってしまう。
化石燃料を燃やすほうが、無理して脱炭素をするより安価なのは明白だ。
化石燃料を燃やして、そこから出たCO2を地中に埋めるなどというのは、まさにコストを上げているとしか言いようがない。
そこに価値を見出して、その製品を勝ってくれる人ばかりなら、コストUPは吸収できるだろう。
でも、世の中そんなに甘くない。
フェアトレードで作られたものが高く、それはいいことだとわかっていても、買わないという人の方がはるかに多い。
化石燃料の代替であるアンモニアや水素はどうやって作るのか。
それらを作るためにもエネルギーは必要なのだから、単にコストアップに決まっている。
おまけにグリーンといいながら、森林を破壊して太陽光パネルを敷いている。
その太陽光に、1戸あたり年間数万円のお金を払っている。
昼間でも平均で17%しか発電しないし、夜間はもちろん役に立たない太陽光パネルなのにだ。
普段環境は大事だなどと言っている人たちは、太陽光パネルについてはなにも言わない。
いったいどうなっているのか。
おまけに、政府は脱炭素と言いながら、ガソリンの補助に5兆円を使っている。
脱炭素というのなら、ガソリンが高くするのはいいことだろう。
それは国民が本気で脱炭素を考えていないことの現れであり、そんな政策はそっぽを向かれるということだ。
それなのに日経によると、
「政府は10年間で20兆円のGX経済移行債を呼び水に民間に130兆円の投資を促す」
とのこと。
わざわざコストアップのために、20兆円の金を使う。
何度か書いたが、世界のCO2の3%しか排出していない日本が脱炭素をしても、100年後の気温はコンマ以下しか変わらない。
そんなことをするくらいなら、日本の省エネ技術をCO2をもっと排出している国に輸出するなどの政策は考えられないのか。
こうなると、GXというのは宗教だと思う。