![]() |
2010.04.29 Thursday
キャリア
キャリアとは何だろう。
英語では、キャリーされるものだから、馬車というような語源らしい。 荷車というような感じだろうか。 荷車を人がひっぱって歩く、そんなイメージだろう。 そして、荷車をひっぱって歩いて、それでついた「わだち」という意味もある。 わだちは、道の上についた車輪の痕だ。 過去のキャリアは、わだちになる。 まさに、そういう感じだ。 10代か20代で社会に出る。 今は半分くらいが20代になった。 普通はそこからがキャリア。 最初はわだちの痕もできないくらい、荷車は軽い。 簡単に引っぱれるが、それが年数がたつと、だんだん重くなっていく。 仕事を覚えたり、人間関係ができたり、スキルがついたり、いろんな出会いや経験が荷車に乗るからだ。 そうすると、だんだんとわだちの痕も深くなっていく。 キャリアをきざむという感じになるのか。 一つの仕事でキャリアをつける人もいるし、いくつかの仕事でつける人もいる。 途中休んで、何かすることもキャリアの一部になったりする。 荷車が重くなると、慣性も大きくなる。 動き出すと、止まりにくくなるのだ。 方向も変えにくい。 重くなればなるほど、ずっと同じ方向に走ろうという性質が慣性の法則。 キャリアの物理学だ。 実際、年をとってキャリアが重くなればなるほど、方向転換は難しい。 よしんば、それができたとしても、今の日本では軋轢が大きい。 道なき道を進んでいくイメージ。 今までの荷物で使えるものもあるし、直接は使えないものもある…。 だから、転職は大変ということだ。 欧米と違うのは、日本ではキャリアの大きな部分が、一つの会社の中の関係や知識であることだろう。 縦のつながりが弱く、横のつながりが比較的強いのだと思う。 だから、キャリアが活かしやすい。 そういう意味でも、日本の転職は年をとれば取るほど大変になる。 しかし、その差も小さくはなってきた。 この年になって、そういうことを考える。 もっと若い時に考えておけば…、と思うが、キャリアはそういうものではない。 運や偶然(これを縁ともいう)に支配される部分も大きいからだ。 偶然、何かの縁で、ある日突然方向転換できたりする。 それがキャリアの難しいところだ。 だから、始終キャリアについて考えているワケではない。 節々で考えるものだ。 荷車を意識しないのが普通。 でも、時々は荷車の中をチェックした方がいい。 それがキャリアの棚卸しだ。 そして、自分の人生のことも考えてみよう。 |
![]() |