長らく続いてきたAM放送は、ついに終わりそうだ。
総務省の有識者会議で、FM放送に転換することが容認されるとのこと。
たしか、ぼくが中学生のころ、FM放送が一般的になったと思う。
FM大阪が開局して、NHKとともにFM局が2つ聞けるようになった。
それまではNHKはクラシックばかり流していたが、FM大阪ができて、ポップスも流れるようになった。
土曜日のポップスベストテンと歌謡ベストテンはよく聞いた。
当時は、これでレコードを買わなくても、ラジオをエアチェックして録音すれば、いろんな曲が聞けるようになる、と喜んだものだ。
まだまだ音楽の単価は高かった。
録音も最初はオープンリールだったが、カセットが出てきて、メタルテープの時代になり、音も良くなった。
それでも、民放はFM大阪だけの時代が続いた。
FM大阪が1970年開局で、KissFM神戸が1990年だから、FMの多局化に20年もかかったことになる。
今はFMCocolo(95年開局)も入るし、カーラジオなら場所によってはFM京都も入る。
アナログ時代のテレビが使っていた周波数も使って、ワイドFMと呼ばれる76MHz〜108MHzの間に、今のAM放送が入り込んでくるということだ。
関西なら、ラジオ関西、NHK第一、NHK第二、朝日、毎日、ラジオ大阪あたりだろう。
一気に電波が混む。
なぜFMになるのかというと、AM放送はお金がかかるからだ。
FMはMHz(メガヘルツ)に対してAMはKHz(キロヘルツ)で、周波数が低い。
だから、AMの方が波長が長く、アンテナなどの送信設備が大変なのだという。
AM局の営業収入は、ピークの1991年に2040億円だったが、2017年には797億円。
儲けは1/3になろうとしている。
ぼくらが中学の頃は深夜放送を聞くのがトレンドだった。
何度か書いたが、
深夜族というような言葉もあったくらいだ。
でも、今はいろんな音源も増えて、AMラジオはスポンサーがつかなくなったのだろう。
カーラジオも、今はMP3プレイヤーをつないで聞く時代。
送信のために電気も食うし、やってられない、ということなのだろう。
そんなわけで、AMはだんだんとFMになっていく。
AM放送というと、トークの番組が多いが、今のFMもそういう番組が増えてきているので、同じようなものだ。
ちなみに、ぼくは中学、高校時代、ヤングタウンをずっと聞いていたが、今は金土日だけの放送になった。
10時から11時半までで終わる。とても深夜とは言えない。
パーソナリティは木曜日がアリスの3人(谷村新司、堀内孝雄、矢沢透)、土曜日が明石家さんまと村上ショージと若い女性、日曜日が鶴瓶など。
まあ、関西の昔の深夜放送の人達(明石家さんまはちょっとズレるが)。
年齢を考えても、11時半にはもう終わろうということなんだろう。
ナイターファンには、今でもAMラジオはおなじみだと思う。
テレビ中継は減ったが、ラジオは昔のままだ。
でもそれらを聞く人たちはもう高齢者。
結局、若い人たちが深夜放送を聞かなくなって、AMの時代も終わろうとしているということだ。
今やラジオはインターネットで聞く時代。
雑音もないし、何よりNHKなどは聞き逃し対応もしてくれていて、いつでも聞ける。
ようやくAMは過去の遺物になる。
ぼくが生きている間になくなるかな…。