2010.02.13 Saturday
大学生のアルバイト
大学生のアルバイトというと、ぼくらの頃は新聞配達や家庭教師、塾、ウエイターなどがあった。
当時のアルバイトは難しかった。
新聞配達は配達する家を覚えなければならない。
他の仕事はIT化されておらず、ウエイターやウエイトレスは商品の名前を覚えなければいけなかったし、合計やお釣りの計算もできないとつとまらなかった。
6人くらい来て、それぞれに注文すると覚えるのが大変だ。
一応紙に書くが、細かいところは覚えておいて、厨房に伝えなければならない。
今は端末の操作をすれば、厨房に勝手に伝わるようになっている。
赤外線か無線を使っているのだろう。技術は進歩する。
今はコンビニ、居酒屋チェーン店、スーパーのレジ、ファミレス、ピザ屋、マクド、スタバなどの外食産業など、昔はなかった仕事や昔は大学生にはできなかった仕事が多い。
コンビニは昔はなかった。
そういうシステム自体がなかったからだ。
コンビニというシステム、うまくできていると思う。
あれがほしい、というものがたいがいある。
運動会の当日、DVテープを買いに行ったら、数個置いてある。
たくさんではない。あの店舗面積ではそんな余裕はない。
弁当もいつもより多かったりする。
必要なものを、必要な時に、必要なだけというのがコンビニというシステム。
あれは、POSシステムというものを使って、アルバイトでもできるような仕事にしている。
http://e-words.jp/w/POSE382B7E382B9E38386E383A0.html
レジをうつ必要もなく、バーコードを読み取るだけ。
お釣りはもらったお金を入力すると、計算されてレジに表示される。
むかし、アメリカ人は計算が苦手で、引き算ができないので、商品の価格に足していってお釣りを渡すという話があった。
今は洋の東西を問わず、お釣りはレジが計算する。
仕入れも、何がどれだけ売れたかがわかっているので、誰でもできる。
店舗比較での売れ筋商品の傾向も本部でできる。
運動会が近づくと、DVテープを仕入れ、当日は弁当を多めにする。
毎年の傾向がわかっているからだ。
店で考えなくても、本部で考えてくれる。
居酒屋のチェーン店などでも、IT化されている。
愛想さえよければ、つとまる。
スーパーのレジも同じ。
昔は手でテンキーを打っていた。
とても、アルバイトではできない。
ファミレス、マクド、スタバなどでも、同じようなもの。
それでも、スキルがいるような仕事はベテランのアルバイトに任せる。
何年かやらせて、要領のいいヤツを選ぶ。
そこで、時給を増やしたり、ちょっと制服が変わったりという、充実感を与える。
よくできたシステムだ。よくできたマニュアルがそれを促進する。
アルバイトがほとんどを運営しているような店舗もある。
だから、大学生のできる仕事は増えている。
高校生でもできるだろう。
ITが世の中を変えたのだ。
30年ほど前、パソコンが出てきた時、誰もそんなことは考えなかった。
パソコンが人間の仕事を奪うという心配など、杞憂だろうと思っていた。
しかし、今はどうだ。
インターネットができ、手のひらに収まるような端末で何でもできる。
人間の仕事を現実に奪っていく。
まさに、世の中を変えていく。
そのことに、みんな気づいているのか?
ものがあふれ、一見豊かになったようだが、仕事は貧しくなっている。
本当にこれでいいのか?
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