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2023.07.31 Monday
廃棄太陽光パネル
太陽光パネルは再生可能な電気を生み出すパネルだが、それ自体は今のところ再生可能とはほど遠いという記事。
再エネを推進している業者は、太陽光パネルの廃棄については「心配しなくてもそのうちリサイクル技術が確立される」と楽観的なことを言っているらしい。 太陽光発電そのものは再生可能だが、パネルは今のところ90%が再生不可能だという。 だいたい、20年から30年の耐用年数らしいから、早ければあと10年ちょっとで廃棄することになる。 現状では埋立地に廃棄するのが一番安いという。 記事の筆者はPCBの廃棄に携わった人。 PCBという言葉、懐かしい。 公害問題が華やかなりし頃、問題になったものだ。 「PCB廃棄物の保管・処理に携わった経験がある方ならその大変さをご存知のはずです。」 PCBは人工的に作られた物質で、脂肪に溶けやすく体内で蓄積され、様々な症状を引き起こすということが明らかになり、1972年に製造中止された。 PCBが問題になった「カネミ油症事件」というのも、今やぼくらの年代でないと知らないだろう。 PCBは製造中止になっても、反対運動などで廃棄が進まず、 「1972年にPCBは製造中止になり、全国の企業や自治体、学校などで使い終えたPCB含有機器は処理困難物として各所有者が保管してきました。2001年にPCB特措法ができて2004年に中間貯蔵・環境安全事業株式会社(略称JESCO)が設立されようやく廃棄物としての処理が始まります。製造中止になってから処理開始まで30年以上もかかりました。」 ということになった。 製造中止から実際の廃棄の開始まで、30年もかかったということだ。 今のところ、環境省の試算では太陽光パネルはその90%がリサイクルされる予定で、10%のみが埋め立てになるという。 これが、本当にそうなればまだいいが、そんなに簡単になるだろうか。 過去30年間放置された実績がPCBであるのだから、難しいのではないか。 記事の最後では、こう締めくくられている。 「PCBを利用していた50年以上前の世代の方々は後の世で公害や環境問題を引き起こし、処理に莫大な時間とコストがかかるなんて考えてもいなかったことでしょう。筆者は保管と処理だけを担当した世代ですが、当時の皆さんを恨むことはありません。分かっていなかったのですから。 一方で、現世代の我々は太陽光パネルが将来世代に対して大きな負の遺産になることを予見できています。いま太陽光パネルを設置すると意思決定した経営者や役職者の多くが現役を退くであろう2035年以降の未来の後輩たちに膨大な処理困難物を遺してもよいのでしょうか。よく「脱炭素は子や孫など将来世代のため」と聞きますが、実は現世代の自己満足になってしまってはいないでしょうか。 自然を破壊して日本の国土に敷き詰めた太陽光パネルは、廃棄段階でも深刻な環境リスクを招き、将来世代にとって大きな負の遺産となる可能性があります。」 ぼくは今の再エネ推進の人たちや、原発反対の人たちを見ていると、本当に「自己満足」だと思ってしまう。 本気で日本の産業のことを考え、未来の世代のことを考えたら、少なくとも今の原発を動かすことは必須だと思う。 |
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